おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

美術のこと

江之浦測候所

江之浦漁港を見下ろす丘の上。かつては3,000坪の蜜柑畑だったそう。その地に芸術家の杉本博司氏が、自らの感性・美意識を注ぎ込んで作り上げた屋外型美術館が『江之浦測候所』です。 完全予約、1日2回入れ替え制。見学料3,300円。行くべきです。私達は12月と…

新版画展(弘前市立博物館)

26日(日曜日)で終了したのですが、弘前市立博物館の新版画展が面白かったです。 以前、拙ブログにて「絵は一点物の有り難みがあるが、ブロンズ像にはそれがない」という、いかにも俗物な感想を書いたことがあります。同じことは版画にも感じていて、「素敵…

2回目の『大巻伸嗣展』②

『大巻伸嗣展』の続き、いよいよ作品を見ているときの、私の頭の中公開です。 まず、会場に入って左手奥の壁に、写真パネルが展示されているのですが、残念ながら撮影不可。 このパネルがものすごく好き。 どこか外国っぽい険しい山の断崖の夜。ポツンと灯り…

2回目の『大巻伸嗣展』➀

『弘前れんが倉庫美術館』で開催中の が、凄く良いんですよ。 chokoreitodaisuki.hatenablog.com 四月に一回行って、「もう一度ゼッタイに行こう」と思い続け、去る月曜、やっと重い腰を上げ行ってきました。腰が上がったのには「見たい!」の他にもう一つ、…

壊れた清姫

今週のお題「最近壊した・壊れたもの」 今週のお題そのものからはちょっとずれるのですが、「壊れたもの」から私が連想してしまったので、書きます。 前回の記事で山種美術館を訪れたことに触れたのですが、その中に小林古径の、道成寺の物語をテーマにした…

私の好きな和菓子

年を取って「変わったなぁ」と思うことは沢山ありますが、食の好みなんかも大きく変わりましたね。甘い物も、ケーキよりは和菓子って感じで、若い頃はあまり好まなかった、羊羹、最中、大福なんかが大好きになりました。どら焼き、月餅(げっぺい)などは昔…

古代メキシコ文明の「顔』

東京国立博物館(東博)で見た古代メキシコ展についてです。 土偶や石像や、いろいろな素材で作られた仮面や人体像が展示されていたのですが、その顔になぜか強烈に惹きつけられてしまったのです。 捕らえられた戦士(捕虜)。この表情に息を呑みました。説…

えっ、顔を知らないのに?

今日の記事はタイトルが全てです。 熱海のMOA美術館で下の美人画を見ていた時の事です。 説明書きにあるとおり、上の三幅の絵は、清少納言・紫式部・小野小町という平安時代の有名な三人の女性を江戸時代風に描いた作品です。 私の後ろにいたカップルの会話…

夜の梅と『紅白梅図屏風』

前回の結びを「続く」としておきながら、長く間をあけてしまいました。ごめんなさい。続きです。お付き合い下さい。 有名な「とらや」の羊羹に『夜の梅』という名前の商品があります。黒い羊羹に浮かぶ小豆の粒を、夜に咲く梅の花に見立てて名付けたのだそう…

紅白梅図屏風について

三月に熱海を訪れた折、MOA美術館に行きました。というか、そもそも熱海に行こうと思ったのは、この美術館があったればこそ。 三月に熱海なら、MOA美術館のアレが見られるじゃないか、というわけです。 アレ、とはこちら。↓ 尾形光琳 国宝『紅白梅図屏風』で…

アートとお金

4月30日、日曜日。単身赴任先から帰省した夫と『弘前れんが倉庫美術館』へ。 普段弘前に居ない夫は、まだ『れんが倉庫美術館』を見たことがなかったので、とりあえず外から建物を眺め、その後、隣接するカフェレストランでランチかお茶でもしてきましょう…

静嘉堂文庫美術館で曜変天目茶碗

「国宝」という響き、心躍るものがありますね。 その国宝である『曜変天目茶碗』を、3月4日、丸の内の明治生命館(重要文化財)1階にある静嘉堂文庫美術館にて拝見いたしました。 静嘉堂文庫美術館は三菱二代目社長・岩崎弥之助と四代目・小彌太の、父息…

変則的な絵画の楽しみ方

昨日はブロンズ像の私的楽しみ方について書いたので、旅行記はいったん中断(でも関係あります)して、絵画についての私的楽しみ方も紹介しようと思います。 1月14日は箱根を朝に発って、東京で、「三井記念美術館」と「東京国立博物館」を回りました。目…

③「希少価値」について考えている(ウィリアム=モリス)

ウィリアム=モリスは19世紀イギリスの詩人・デザイナーで、生活に芸術や手仕事の美を取り入れようとする「アーツ・アンド・クラフツ運動」で有名です。 下の写真は100円ショップセリアで大人気の、ウィリアム=モリス柄の商品です。 モリスは産業革命…

②「希少価値」について考えている(ミナ ペルホネン)

そもそも私がなんで「希少価値」について考え始めたかと言いますと、9月に友人と訪れた青森県立美術館の、こちらの展示がきっかけでした。 「ミナ ペルホネン」は、デザイナー皆川明氏によるファッションブランドです。洋服の「形」は至ってシンプルで、こ…

①「希少価値」について考えている(彫刻)

ここしばらく「希少価値」ということについて物思う事が続いていて、まとまったらブログに書きたいなあと思っていました。でも、いつまでたってもまとまる気配がないので、取り留めなくとも書いてみることにします。 昨日がずいぶん久しぶりのブログ更新でし…

未年(ひつじどし)の女は

今年は寅年ですね。寅年は株価が上がるとか。景気が良くなるといいですね。 十二支の話をすれば、私は丑年ですが、皆さんは何年ですか?私は昔、親戚のおばさんから「丑年は縁遠い」と言われたことがあるのですが、皆さんは自分の生まれ年について何か言われ…

包み、包まれ

弘南鉄道黒石線に「田舎館駅」という駅があります。一見、何の変哲もない、「名は体をあらわす」という言葉を具現化したような田舎町の駅舎です。ご覧下さい。 さて、青森県民は様々なメディアで先刻ご承知でしょうが、こちらの駅舎の内部は、弘前市出身のG…

再びジョン万次郎(取り急ぎ)

最近なぜか急にジョン万次郎が気になり、津本陽著『椿と花水木(上・下)』という、万次郎の生涯を書いた小説を市立図書館から借り、今日、読み終わりました。そして、これは取り急ぎ読者の皆さんにお知らせしたいと思うことがあり、こうして書くことにしま…

ゆうれい展(ギャラリー森山)へ その1

今週のお題「暑すぎる」 夏は幽霊の季節ですね。なんでかな~と考えてみるに、薄着でも大丈夫だからじゃないでしょうか。モコモコと暖かそうに厚着した幽霊って様にならない気がします。 弘前市の『ギャラリー森山』で夏恒例の「ゆうれい展」が開催されてい…

イタリア旅行の思い出 『聖マタイの召命』その2

絵をみて楽しむという、その楽しみ方にもいろいろありますが、「謎解き」のような面白さというものもあります。 聖マタイの召命 1599~1600 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 絵のタイトルの「召命」とは広辞苑によりますと、ある使命を果たす…

イタリア旅行の思い出 『聖マタイの召命』その1

数年前イタリアに行きました。いつかまた行きたい、いや、行こうと思っていたのに、コロナウイルスのせいで、「夢」が「遠い夢」になってしまった気がします。 ツアーに参加したのですが、ローマでのフリータイムでは、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教…

斫(はつ)る、とは

弘前市立博物館について、紹介したいことがあります。下は二年前の、同博物館にて開催された『歌川国芳展』についての記事です。その記事の中に博物館正面の写真がありますが、再掲したいと思います。 chokoreitodaisuki.hatenablog.com ※注 二年前の写真で…

常田健『水引人』

青森市浪岡の「常田健 土蔵のアトリエ美術館」の一枚、『水引人』についてです。 この絵を見ながら同行の友人とあれこれ語り合いました。 まず最初は、うつ伏せで眠る水引人達のお尻についてです。 この絵に限らず、常田健が描く農民達のお尻はこんな風に描…

青森市浪岡の「常田健 土蔵のアトリエ美術館」

常田健(つねだけん) 1910年(明治43年)~2000年(平成12年) 洋画家。現在の青森市浪岡に生まれ、りんご園を営む傍らひとり黙々と絵を描き続けた。 絵は人に見せるためでも無く、売るためでも無く、ただ自分がかきたいから書く。そうして、いつでも手直し…

弘前れんが倉庫美術館 2階

2階へと進みます。 いろいろな展示がありましたが、尹秀珍(イン・シウジェン)さんの、古着で作ったという「ジオラマ」風の作品が面白かったので、紹介しようと思います。もし、読者の中で、「美術館の作品には予備知識無しで出会いたい」という方がいらっ…

弘前れんが倉庫美術館 1階

いよいよ入館です。 受付で入館料 1,300円を払います。前の方と間隔を開けて並んで待っているとき、上を見上げますとハンガーが。恐らく展示の一つなのだろうと予想はしつつも、ちょっとなんだか「間抜けな感じ」は否めないのでした・・・。 今回の開館記念…

弘前れんが倉庫美術館 外観

本当は4月11日、満を持して開館予定だった、「弘前れんが倉庫美術館」。やっぱり新型コロナウイルスの影響を受けてしまって、開館は延期に。そして、今月1日から、弘前市民限定の事前予約制によるプレオープンとなりました。市民限定の会期は15日までで、17…

遠くへ。海の向こうへ、行きたい。

今週のお題「遠くへ行きたい」 このチョコレートは少し前に『ジュピター』という輸入食料品店で買った、イタリアのものです。税抜320円でした。 チョコレートは大好きなので、つい「美味しそう!」と衝動買いもしてしまうのですが、このチョコレートを買…

寺山修司ポスター展②

「ああ、今ならアウトだなあ」、そんな風にも思った寺山修司ポスター展です。 ポスターとしてはどれも魅力的な素敵なポスターです。でも、今日の道徳と言いますか、社会規範的にはちょっと厳しいのでは無いかと思うものが多数ありました。 特に上の一枚など…