おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

アートとお金

 4月30日、日曜日。単身赴任先から帰省した夫と『弘前れんが倉庫美術館』へ。

 普段弘前に居ない夫は、まだ『れんが倉庫美術館』を見たことがなかったので、とりあえず外から建物を眺め、その後、隣接するカフェレストランでランチかお茶でもしてきましょうということで、仲良く連れ立って出かけたのでした。

 我が家では、お出かけの際には私が車を出す代わりに、食事・お茶代は夫持ちという決まりがあるので、実に仲良くお出かけするのです(笑)。

 美術館の外観や、芝生の広場を眺め、エントランスに置かれた奈良美智氏の「犬」を見終えて、夫が言いました。

 「どうする?中に入る?せっかくだから見ていこうか?」

 

 弘前れんが倉庫美術館では、大巻伸嗣 地平線のゆくえ という展覧会が開催されていました。(10月9日まで)

 

 「インスタレーション、っていうやつだよねぇ。私、あんまり興味ひかれないんだよね、インスタレーションって。はぁ、ってしか感想わかないし」

 と答えた私に夫は

 「同じく。でもまあせっかく来たんだし、入りましょう。観覧料(大人1300円)は出しますよ」

 観覧料は出してくれる!

 となれば、「入る」一択。断る理由はありません。「わ~い」とばかりに夫の後について受付カウンターに向かいました。我ながら現金なものです。

 さて、鑑賞後の感想を簡単に述べたいと思います。

 

 もう、最高!素晴らしいの一語。

 なにが凄いって、お金のかけ方が違う。どの作品も、めちゃくちゃお金掛かってる。

 皆さん、アートの価値にお金が関係あるの?とか思ったでしょう?ありますよ、絶対。この展覧会を見れば納得して頂けると確信します。素晴らしい才能が、そのインスピレーションを実現するためのお金を惜しまなければ、ここまで凄い物が出来るのかと思いましたよ~。

 そして、ちゃちくないもの、けちくさくないもの、つまりは、大らかに豊かなものは、その存在で人の心を打つものなのです。

 皆さん、会期はまだまだあります。是非行ってみて下さい。

 そして、行くのなら絶対に一人で訪れてみてください。必ずやお気に入りの作品に出会い、心ゆくまで作品の前に、あるいは中にたたずみたいと思うはずですから。

 私ももう一度、かならず行きます。1300円であの体験が出来るなんて、1300円の最も価値ある使い方かも知れない、そんな風にさえ思っています。

 私たちが訪れた日、GWだというのに館内はひっそりとしていて、それはそれでゆっくり静かに作品世界にひたれて良かったのですが、実に勿体ない、そうも思いました。こんなに素晴らしい展覧会なのに、勿体ない、勿体ない、勿体ない・・・。弘前の皆さん、行かないのは本当に勿体ない。

 

 館内は写真撮影も可でしたが、このブログを読んで「行ってみよう」と思われた方が、新鮮な気持ちで作品と出会えるよう、ここでは大巻氏の作品の写真は載せないことにします。かわりに、下の一枚だけ。

 

 

 ガラスの下半分が琥珀色で、ここだけ他の窓とは違っていたんですね。雨のしずくもいい感じで、カメラにおさめました。

 帰宅して、展覧会のパンフレットに目を通したところ、この窓は和田礼治郎の『AMBER WINDOW(HIROSAKI)』と題された新規収蔵作品で、ガラスパネルの内側はアップルブランデーで満たされているのだそうです。

 そういう事なら、タイトルと説明文ぐらい窓の隣に設置してよ~。もっと皆が足を止めてじっくりみると思いますよ。夫は「こんな窓あったっけ?」なんて言ってました。(もし説明文があって、私が見逃していただけなら、まぁどうしましょうゴメンなさいね)

 

 今回は夫のお陰で素晴らしいものが見られ、思い出に残るGWの一日となりました。何回も書きますが、1,300円でアーと驚く物が見られるなんて、美術館や博物館ほどコスパのいい娯楽は無いかも知れません。「インスタレーションはぁ」とか好き嫌いせず、チャンスがあればいろいろな美術館・博物館をどんどん訪れてみたい、改めて思いました。皆さんも是非、先ずは『弘前れんが倉庫美術館』へどうぞ。では。