おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

読書

この夏をヨーカドーに捧げ、られなかったけれど

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 いきなりですが、上は今年度本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』の書き出しなのです。皆さんは読まれました?私は珍しく読みましたよ。活字離れ甚だしい私なのですが、貸してくれた人があったもの…

半村良という作家

久しぶりのブログ更新です。心配して下さった読者の方、すみません。単なる怠けです。というか、編み物に夢中になりすぎて、ついついそちらを優先してしまって。近いうちに、編み物作品のお披露目記事も書きたいのですが、まずはリハビリがてら、ゆる~く日…

あざとうまい寺山短歌

5月4日は詩人・劇作家、寺山修司の命日で、青森県三沢市の「寺山修司記念館」では「修司忌」が行われました。友人に誘われ、行ってきました。 「寺山修司記念館」の広い敷地には歌碑が建てられ、それらの短歌をゆっくりと味わいながら散策したのですが、寺山…

祝 私のブログ三周年!

読者の皆様に支えられ、2018年5月6日にスタートした拙ブログも三周年を迎えることが出来ました。最近はネタ切れ気味ではあるものの、なんとか継続できており、世の中にダジャレを発信できておりますこと、本当に嬉しく思います。 ブログと同じく、ここ二、三…

電子書籍のいいところ・悪いところ

今日もいきなり拙句の紹介から始めたいと思います。 秋深し電子書籍に読む乱歩 takakotakakosun 私は「Kindlepペーパーホワイト」(以下、K)を持っています。kを使って読んでいるのは、太宰・乱歩などの、著作権切れで「青空文庫」に収められた無料で読め…

太宰治『トカトントン』を読んで②

何かを無我夢中になって、寝食を忘れるほどの情熱を持ってやってみたいと思っても、その「何か」が無いのです。あるところまでは打ち込んでみたりもするのです。ところが、さあここからだという段になると、たちまち熱情はどこかへ去り「こんな事をしたって…

太宰治『トカトントン』を読んで①

しばらく前だが、10歳ほど年下の友人とウォーキングをしていた時のことだ。彼女はこのブログを熱心に読んでくれるのだが、前に私が太宰作品の感想文を書いた事をきっかけに、自分も太宰を読んでみたということだった。 「トカトントン、読みましたか?まだ…

吉野弘「I was born 」を思い出して

今日の東奥日報9面。哲学者・森岡正博氏の『論考2020 反出生主義への応答』を読んでいたら、大昔学校で習った、詩人・吉野弘氏の「I was born 」という散文詩を思い出しました。皆さんも習ったでしょう? I was born:吉野弘 英語を習い始めて間もない少年…

私の漫勉『チェーザレ 破壊の創造者』第6巻

私の「漫勉」とは、漫画を読んで勉強するという意味です。現在、惣領冬実先生の『チェーザレ 破壊の創造者』(以下『チェーザレ』)を読んでいるところです。 以前の私は、吹き出しに書かれた「文字」をかなりのスピードで追っていくという読み方をしていま…

何十年ぶりだろうか、マンガを買うなんて

昨夜、Eテレの『浦沢直樹の漫勉neo』という番組で、惣領冬美(一発で変換できた!)先生の『チェーザレ 破壊の創造者』というマンガが紹介されました。 「惣領冬実先生」なんて、まるで以前から知っているかのように書きましたが、全然存じ上げない漫画…

太宰治『皮膚と心』を読んで(読書感想文)

今更ですが太宰治にはまって、『皮膚と心』という短編を読みました。ので、感想文を書きます。 作品の体裁は、女性の一人語りです。主人公がどういう女性か知って頂くために、最初にざっくりまとめます。 三月に結婚致しました私どもは、弱く貧しい者同士で…

なぜタイトルは『女生徒』なのか(大人の本気の感想文)

今週のお題「読書感想文」 (続きです) 『女生徒』に散見される謎の文 この作品は一人の少女の「考えていること」が、そのまま活字となっているのです。例えば、 食堂で、ごはんを、ひとりでたべる。ことし、はじめて、キウリをたべる。キウリの青さから、…

太宰治『女生徒』を読んで(大人の本気の感想文)

今週のお題「読書感想文」 私が生徒だった頃。ざっと40数年前。40数年・・・、改めて驚きと言うより恐怖に近いような時の流れを実感します。そんな大昔でも、やっぱり夏休みの宿題と言えば「読書感想文」でした。 最近はめっきり活字離れしてしまった私なの…

お盆らしく、人の「死」について

なかなか読み終わらない武田百合子のエッセイ集『あの頃』。 その中で夫である武田泰淳が亡くなった後の心境を、「何ともわりきれない」と書いているものがある。その文章に次のような一文が続いた。 今日、お悔やみの電話をかけてくれた親切な誰彼のことを…

武田百合子『あの頃』を読んでいます 後編

「文は人なり」と聞きますが、武田百合子の文章の魅力は彼女自身の魅力そのものなのだろうと思います。飾り気が無く、あけすけなのに節度があって。偉ぶらないのにどこか知的。そして、愛情深い。 『よしゆき賛江』と題された短い文章で、武田百合子は一目見…

武田百合子『あの頃』を読んでいます 前編

老眼になったからか、集中力・記憶力が衰えたからか、本というものを読まなくなってしまいました。それでも、読書習慣をすっぱり捨てるというのも後ろめたく、「たまには本でも読まないと」という、半分義務感のようなもので本を手にすることがあります。 本…

司馬遼太郎『伊達の黒船』 ー 嗚呼、今日は何という胸アツな日か!(後編)

「胸アツ、胸アツ」と思いながら帰路につきました。でも、「こんな年になって、胸アツなんて若者言葉を使うって、どうなの?」とも思っていました。 そう言えば、クレヨンしんちゃんも、「アツがムネムネ~」とか言ってたよね~。あれ、なんか違う気もする。…

佐々木邦『苦心の学友』を読んで

佐々木邦(くに)という作家をご存じでしょうか? 佐々木邦 - Wikipedia 私は全然知らなかったのですが、ほんの偶然から彼の『朝起きの人達』という短編を読みまして、そのすっとぼけた文章が面白く、別の作品も読んでみようとしばらく前に購入し、このたび…