おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

『虎に翼』、寅子の遺族年金が気になる

 四月から欠かさず見続けたNHK朝ドラ『虎に翼』。あと1週間で終わるのか〜。寂しくも、ちょっと心配なのです。

 初めの頃は、「女だてらに」とか「女のくせに」という世の中の差別と戦う寅子という焦点があって、そこにお父さんの事とか、友人達の複雑な事情とかをうまく絡めて、毎日ワクワクしながら応援するように視聴していたものでした。

 それが、新潟に行ったあたりからかな?あまりにもエピソードが盛り沢山になり、結果、一つ一つの問題が掘り下げられることなく、あっさりと解決してしまうことの連続。例えるなら、お子様ランチを出されたような気分。海老フライにハンバーグ、ポテト、チキンライス、プリン、どれも主役級のご馳走なのに、ほんの一口づつ。

 朝鮮人差別、同性愛、事実婚ステップファミリー更年期障害認知症。どれも重いテーマなのに、あまりにも簡単に片付いてしまって、いくら朝のドラマとは言え、「はて?」という気分になるのです。そんなに簡単に解決するのなら、世の中に苦労はないって(笑)

 そして、そう言った寅子の身の回りの出来事の合間に提起される法律問題。今取り上げている「尊属殺人」も重いテーマですが、私としては被爆者が国を相手におこした裁判、あれはもっと丁寧に、視聴者を啓蒙するぐらいの意気込みで扱って欲しかったなあと、残念な気持ちでいます。せっかく日本で最初の女性裁判官の一生を描くのですから、その仕事をもっともっと紹介しても良かったと思います。

 例えば、「事実婚」で一緒に暮らしながら前の夫の名字を名乗るなんて、職業柄、そして時代背景としてあり得ない「選択」をさせることに尺を取るなんてせずに。いくら、選択的夫婦別姓制度が議論されている現在とはいえ、時代に忖度し過ぎではないかと思うのです。

 その結果、私のような、ナナメからモノを見るのが好きな人間に、以下のようなツッコミを入れられるのですよ。

 「寅ちゃんてさ、いわゆる戦争未亡人だから、遺族年金もらってるよね。再婚すると資格を失うけど、法律上は結婚してないから、貰えるんだよね。所得制限はあったっけ?あったらゴメン」ってね。

 

 えーと、話を最初に戻します。

 私、心配してるんですよ。あと一週間、物語は視聴者が納得いくような着地点を見つけられるのだろうかと。あんなに「気持のいい」ヒロイン登場と私をワクワクさせた朝ドラです。最後もやっぱり気持ちよく終わって欲しいのです。虎と対を成すものと言えば龍ですが、くれぐれも竜頭蛇尾とならないよう願っています。

 失礼、最後は虎に翼ではなく蛇に足でしたね。では。