前回、「男性用セーターは、ゆき丈が長い」と書いていて思いついた事があります。
津軽弁の慣用句で「津軽の手長(てなが)」と言うのがあるのだそうです。何十年も前に私に教えてくれた人は、
「津軽の人は美味しいものがあるとすぐにやって来て手を伸ばす。つまり食い意地が張っているということ」
と教えてくれたのですが。
今回、ネットで調べてみたところ、あらビックリ!本來は、
「南部の火付け、津軽の手長、秋田のほいど」と言い(バリエーションも有り)、意味は、
「(青森県東側の)南部地方は放火犯が多く、(青森県西側の)津軽地方は泥棒が多く、秋田の人は意地汚い」という、凄い悪口のオンパレードなのでした。
これは津軽の慣用句とされているので、津軽の人が隣接する南部・秋田の人の悪口を言いたいけれど、ただ他者の悪口を言うだけでは立場上問題があるので、自虐も加えたということらしいのです。
そうなんですよねぇ。
全く離れた場所で無関係に暮らす同士なら諍う必要はないわけで。隣り合うから、何かと揉め事が起きるんですよね。
世界を見ても、侵略・紛争・戦争は、国境を接するが故に起きているわけです。領土や勢力の拡大を目指して。
上に書いた悪口のうち、火付けや手長(泥棒)に比べれば、「ほいど」は可愛いもんだと思ったのですが、「ほいど」とはつまりは欲深いことであり、全ては人間の欲深さに起因すると考えると、なかなか深いものがありますね。
そう言えば、人間の隠された二面性をえがいた小説に『ジキル博士とホイド氏』ってありましたっけね。続く。