おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

南部せんべい

 私の住む青森県は、東側と西側にざっくり分けることが出来ます。南部地方と津軽地方と呼ばれます。私が生まれた下北半島は南部側なので、子供の頃から煎餅と言えば「南部煎餅」。あれが煎餅という物なのだと固く信じていました。

 

 私には関東に嫁いだ叔母がいるのですが、遅く子供を授かったその叔母が、実家(母の実家です)に、送って欲しいと言ってきた物が「南部煎餅」だったことをハッキリと覚えています。つわりで何も食べたくないが、「南部煎餅」だけは無性に食べたく、でもこっちでは売っていないから、というのが「送って欲しい」という理由でした。

 母や祖母がビックリして、「煎餅がないとは」と、笑いながら話していたことも覚えています。よくよく話を聞けば、関東では煎餅と言えば「草加煎餅」のことであり、南部煎餅とは似て非なる物であるという事だったのでした。

 

 数日前、あるテレビ番組をみて知った事があります。煎餅というものの材料についてです。

 草加煎餅がお米から作られるのに対して、八戸市岩手県の名物である南部煎餅は、小麦粉が原材料なのでした。知らなかった-。と言うか、考えたことも無かったー。煎餅は煎餅、あまりにも身近すぎて、「何から作られているか」なんて考えもしませんでした。そうかー(あ、無意識にダジャレが出てしまいました)、草加はお米の産地だからお米で煎餅を作り、お米の採れない南部地方では小麦で作るんですね-。

 

 人は誰しも子供の頃から慣れ親しんだ味を好むものなので、「草加煎餅推し」の関東民を否定するものではありませんが、やっぱり煎餅は「南部煎餅」でしょう。味のヴァリエーションの多彩さ、食べ方の豊富さといった点からも間違い無いと思います。

 味については、しょっぱい胡麻・甘い胡麻・ピーナッツ等々。食べ方については、津軽飴という水飴を挟んだり、油で揚げたり、また、南部地方では「煎餅汁」という、専用の煎餅で作るソウルフードもあるのです。青森県岩手県民以外の皆さんにも、是非いろいろな南部煎餅をご賞味頂いて、私の「南部煎餅推し」をご理解頂けたらと思います。

 

 話は変わりますが、南部煎餅が小麦粉から作られるということを知ったとき、思いついた事があるのです。それは、これ(南部煎餅)も、いわゆる「粉もん」の一形態ではなかろうかと言うことです。そして、「粉もん」の本場・大阪には、名物「粟おこし」があるじゃないか!ひょっとして、あれって本当に「粟」なの?そんな疑問も生まれたのです。あわててネットで検索しました。

 答えはさにあらず。大昔、粟で作られたのが始まりではあるのですが、その後、お米で作られるようになったのだそうです。お米を粟のように細かく砕いて作るのだそうです。

 こうしてみると、身近な食べ物も、何から作られているか知らない事って結構あるものですね。60年生きても、まだまだです。

 とりあえず、南部煎餅については「コナモン、ゲットだぜ~!」ということで、せっかく覚えた知識ですから、ポケッと忘れたりしないよう気を付けたいと思います。では。