おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

紅白梅図屏風について

 三月に熱海を訪れた折、MOA美術館に行きました。というか、そもそも熱海に行こうと思ったのは、この美術館があったればこそ。

 三月に熱海なら、MOA美術館のアレが見られるじゃないか、というわけです。

 アレ、とはこちら。↓

 

 尾形光琳 国宝『紅白梅図屏風』です。

 以前からMOA美術館がこの作品を所蔵していて、毎年、梅の花の時期に公開しているということは知っていました。チャンス到来!です。

 この屏風を見たいと思う理由はいくつかあります。国宝であること、超がつく有名作品であること、そしてもう一つ。その来歴も弘前在住の私の「見たい心」をくすぐってやまないのでした。

 私が住む弘前を中心とした青森県の西半分はかつて、津軽の殿様が治める地でありました。そのお殿様が江戸におられた時なんでしょうね、手に入れたのが上の屏風。そう、『紅白梅図屏風』は津軽家所蔵の品だったのです。

 ネット情報によりますと、第二次世界大戦の際には蔵に焼夷弾が落ち、他のお宝とともにあわやという事態になったものの、必死の作業で火は消し止められ、屏風は難を逃れたということです。

 ところが、戦後、どういう経緯であったかは定かではないものの、屏風は津軽家から離れ、MOA美術館創設者・岡田茂吉へと渡ったということです。

 そうかぁ、津軽の殿様のものだったのか、そう思えば津軽在住者としては見たい思いはひとしお。これって変ですか?私だけですか?少なくとも津軽生まれの夫は「それは見ないわけにはいかないな」と申しておりましたよ。

 そんなわけで、津軽家とはなんの関係もない私達夫婦ではありますが、胸を高鳴らせ、いよいよ、かつて津軽の殿様のものであった金の屏風の前に立ったのでした。きっとキンパクの面持ちだったろうと思います。続く。