年を取って「変わったなぁ」と思うことは沢山ありますが、食の好みなんかも大きく変わりましたね。甘い物も、ケーキよりは和菓子って感じで、若い頃はあまり好まなかった、羊羹、最中、大福なんかが大好きになりました。どら焼き、月餅(げっぺい)などは昔から好きでしたが。
あれ、月餅って和菓子?違いますね、中華菓子ですね。
「わがし(私)馬鹿よね〜、お馬鹿さんよね〜」、細川たかし『心のこり』でした(苦笑)。
話は変わって。
6月の末に東京に行って、東博で古代メキシコ展をみたりIMAXで『インディ・ジョーンズ』をみたことは以前書きましたが、実は山種美術館も訪れたのでした。
小林古径と速水御舟という日本画の大家の作品展なので、目玉作品も数多かったのですが、なんと言ってもお目当てはポスターの右側、速水御舟『炎舞』です。ミーハーなので。
そしてもう一つ。山種美術館のカフェには所蔵する「絵」に着想を得た、オリジナル和菓子があるということで、絶対に食べようと心に誓っていたのでした。
まず、『炎舞』についてですが、作者の言葉として、
「背景の色は自分でも良く描けていると思う。もう一度描けと言われても、二度とは出せない色」
とありましたが、確かに「闇」の色が凄いのです。漆黒の闇が炎に照らされた色なのです。作者の言葉を読む前は、炎やその回りを舞う蛾にばかり目を奪われていました。ところが、一度背景の色に着目すると、この色はどうやって出したのだろうと、作者の言葉に納得し、感心してしまうのでした。
さて、心ゆくまで『炎舞』を鑑賞し、休憩がてら和菓子です。
弘前を発つ前から、『ほの穂』を食べようと決めていたのですが、お菓子の説明を読んでいたら、『まさり草』の胡麻餡が食べたくて食べたくて。結局、両方食べてしまいました。
左の『ほの穂』は『炎舞』の炎をイメージしています。『炎舞』なら「蛾」は欠かせないと考えたものの、蛾は食べるものにはふさわしくないと和菓子職人さんが頭を悩ませた結果、敷紙を黒にして、金色の蛾をプリントすることにしたのだそう。素敵でした。
「まさり草」とは菊のことだそうです。こちらは元になった絵のとおり、白い蝶が羽を休めています。予想通り、胡麻餡が美味しかったです。満足〜。
コーヒーに和菓子、そんなお店があったら嬉しいかも、高齢者に受けるかも、そんなことを思いました。
などなど書いていて気がついたのですが、和菓子が好きとは、つまりは「あんこ」が好きということではなかろうか。数ある甘さの中で、あんこの甘さが最終的に一番になる、これは日本人のDNAのなせるわざかもしれません。いえ、日本「人」のみならず、ロボットだって、日本製なら同じことが言えそうです。あの有名な、未来から来たロボットも言っています。
♪ あんあんあん、とっても大好きドラえ〜もん ♫
では。