おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「自慢の一着」の「自慢」とは

今週のお題「自慢の一着」

 

 今週のお題にかかわらず、人が洋服を自慢するとき、その根拠(自慢するワケ)は何でしょうか?

 ・高かったのよ~

 ・(有名・高級)ブランドなの

 ・もうウン十年も着てるの

 ・思い出(初給料で・プレゼント・手作り)がらみで

等々、いろいろあるかと思います。

 そして、もう一つ。「似合うと褒められる」、これもあるでしょうね。私はあります。今日はその事を書こうと思います。

 

 その一着は冬のロングコートで、素材はポリエステル。形はフード付きのシンプルなものです。ブティックの壁に掛かっているのを見たとき、「綺麗な色、珍しい色」と思いました。写真でお分り頂けるかどうか。グレーと水色の中間のような色です。

 

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 「綺麗な色ですねぇ」「そうですよね、なかなか無い色ですよね。ご試着どうぞ」

 着てみました。自分でも、これは似合うと思いました。お店のお姉様方も「似合う、似合う」の大合唱。いつの間にかお財布の口が開き、クレジットカードが「オレのターン」と、力を発揮してくれました。

 一年後そのお店の前を通りかかると、私のコートと同じものが再び飾られていました。思わずお店に入り、顔なじみのお姉様に聞いてしまいました。

 「このコート、私が買ったのと同じなんだけど、去年、売れ残っちゃったの?私の他にいいと思ってくれる人はいなかったの?」

 「いいえー。こちら凄く人気で、メーカーさんで今年もまた作ったんです。色違いはすぐに売れたんですけど。こちらも、何人もご試着はされるんですけど、皆さん着てみるとなんか違うって。あまり似合う方いらっしゃらない、というか、お客様だけです、お似合いなのは」

 まあ嬉しい。ほら、私って顔は女優、体型はスーパーモデル並だから。(嘘です。ちゃんと「ほら」って断ったでしょ、フフフ)

 

 それから二人で「なぜ私だけ似合うのか」の謎を探り、一つの結論に至りました。答えは髪の色でした。

 グレーとも水色ともつかない柔らかな寒色は、黒髪ではコントラストがつきすぎるし、茶色は浮いてしまうのです。そして、かく言う私は白髪頭。

 こうして「自慢の一着」となったのでした。

 

chokoreitodaisuki.hatenablog.com

 

 ちょっと前に、「キョンキョン」こと小泉今日子さん(54才)のTwitterが話題になりました。その内容はともかく、その中の「そういう大人になりたいと思いました」という表現の衝撃たるや。同じように感じた人は多かったようで、ネット上では、

 「えっ、まだ子供だったの?」とか「自分をなんだと思ってた?」「いつ大人になるの?」などといった、疑問符付きの反応が結構見られました。私も最初はそれらと同じような「?」つきの思いを感じたのですが、衝撃が去ると共に、次第に共感へと変わっていったのでした。

 

 わかる~、わかるよ~、キョンキョン。いくら実年齢が50才過ぎてたって、私たち心は常に「女の子」よね~。50代女子よね。それなのに、世間ったら。なんで現実をつきつけてくるわけ。私たち現実を生きてるワケじゃないのに。

 あれ?あれ?

 ちょっと共感しすぎて境界を越えてしまいました。「キョンキョン」として生きている彼女とは違い、私は現実をしっかり見つめなければならないのに。

 

 こんな時には鏡です。比喩としてでは無く本物の鏡をのぞいてみることにします。鏡は世間以上に現実を突きつけてきますから。そこに映る白髪頭の初老の女性、それが私。そうしっかりと自覚して、コートだけでは無く、その白髪頭に似合う生き方・振る舞いを見つけたいと思います。時の流れは誰にも止められないのですから、こうと決めたら実行です。では。