おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

私はグレイヘアというより、白髪です

 斎藤実盛(さねもり)は平安時代の武将である。

 年老いた実盛は、これが最後と腹をくくった戦において、白髪を真っ黒に染めて出陣した。これは敵方に、「このような年寄りまで駆り出すほど、人がおらぬか」と侮られぬようにとの思いからであった。

 この逸話は子供向けの歴史読み物で読んで知ったと思うのですが、妙に心に残っています。Wikipediaの説明はちょっと違っていました。

斎藤実盛 - Wikipedia

 

 タイトルに書いたとおり、私は白髪頭なんです。最近はグレイヘアという呼び方で、一部では流行の兆しもあるようですが、まだまだ少数派ですね。

 

 私の白髪が目立ち始めたのは、45歳ぐらいからですかね。最初は気になって、見つける度に抜いていました。でも、次第に、増える白髪に抜く分が追いつかなくなって、諦めました。

 実は、今時珍しいと思うのですが、私は生まれてから一度も髪を染めたことがないんです。もともと、凄く茶色い髪色で、染めてなくても「染めたの?」と聞かれるぐらいだったので、茶髪にしたいと思ったことがなかったんです。それに加えて、とにかく面倒くさがり屋なので。でも、さすがに白髪が目につきだした時は考えました。ある時、ふらりと入った美容院で、白髪染めについて聞いてみました。美容師さんの答が面白かった。

 「お客さんの白髪はカッコいい白髪だから、染めなくていいと思います」

喜んだ私はウキウキしながら、カッコいい白髪とはどういう白髪なの?と聞きました。

美容師さんはキッパリと答えてくれました。

 「まんべんなく、生えてます」

 

 今ではだいぶ白くなりました。息子その1からは不評です。彼の言い分は「白髪は汚い。俺だったら絶対染める」だそうです。言ってることは分かります。白髪って、脂っ気(艶)が無くて、妙に固くてバサバサして、確かに汚い。でも、顔も汚くなってるからさ、ちょうどいいの。年をとるってそういうこと。はい、不精者の屁理屈です。

 

 それから、たった一人、「白髪を染めればずっと若く見えるのに、もったいない」と言ってくれる人がいます。確かに、斎藤実盛の例を出すまでも無く、白髪を染めるのは「若く見せる」ために、最も効果的で手っ取り早い方法だとは思います。ところがですね、本当にへそ曲がりで申し訳ないのですが、私は「若く見せたい」とは思わないんです。だって、若く見られて何かいいことありますか?年寄り扱いされて困ること、ありますか?

 「どうぞ座ってて下さい」って大事にされるポジション、良くないですか?と書いてて気がつきました。私って、とことん不精者なんだわね。「グレイヘア」に関するネットや雑誌の記事を読んだりすると、グレイヘアを美しく保ったり、グレイヘアをオシャレに見せるには、染めていたとき以上にお手入れや身だしなみに気を配る必要があるみたいで。やっぱり私は「白髪」でいいや、と思ってしまうのです。

 

 「若く見せたい」とは思わない、と書きました。でも、「若く見られる」のはうれしいですよ。年の割に、汚くなっていないと言うことですから。「若く見せる」努力はしたくないのに、「若く見られる」という結果は欲しいという、どこまでもどこまでも、怠け者の思考です。白髪の年になっても全然成長しない、みつ子の魂百までとは、このことでしょうか。

 ちなみに、白髪の憧れと言えば、なんと言っても草笛みつ子さんですね。素敵ですよね。では。