おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

そりゃ、バラ科のバラだもの

 バラ科という「科」があるのですから、バラはバラ科の頭領とも言うべき花でしょう。

 植物の分類として私達に最もなじみがあるのは、大きい順に、門・綱・目・科・属・種というくくりかと思います。

バラ薔薇)は、バラバラ属の総称である。あるいは、そのうち特に園芸種(園芸バラ・栽培バラ)を総称する(花が鑑賞用や食用とされる )。Wikipediaより

とありますが、例えばリンゴはバラ科リンゴ属、梨はバラ科ナシ属、また、バラ科キイチゴ属といったように、私達の周りで「実」をつけている多くの植物がバラ科の植物なのです。

 となれば、バラ科の頭領たるバラが実をつけない道理はないはずで、そして勿論、見事に実をつけるのです!

 と、「!」マーク付きで書きましたが、なんとなれば、数日前にそのバラの実を生まれて初めて見たからなのです。六十年生きてきて、バラが立派な実をつけるなんて、初めて知りました!!!

 

f:id:takakotakakosun:20211210114308j:plain

 たまたま通りかかった建物に植えられているバラですが、12月というのに何輪も花を咲かせていました。そして、よく見ると(いえ、よく見るまでも無く)、たくさんのオレンジ色の実をつけているのでした。驚きでした。えー、バラって実をつけるものだったの?

 家に帰ってネットで調べたところ、一つは、実をつけるかどうかは品種にもよるという事が分かりました。そして二つ目は、実をつけたままにしておくと株が弱るので、花を観賞するバラの場合、花がらを摘んで実がならないようにした方が良いと言うことでした。

 実家の庭にも何本かバラが植えられていましたが、ほとんど手入れらしい手入れもされていないバラでした。当然、花がらを摘むというような手のかけ方はしていなかったので、あれらは実のならない品種だったのだろうと思います。この、最も身近で見ていたバラが実をつけなかったということ、この事が私が「バラは実をつけない」と勝手に思い込んでいた一因かと思います。

 さらに、ネットによりますと、最近よく耳にするようになった「ローズヒップティー」というお茶がありますが、あの「ローズヒップ」こそ「バラの実」という意味で有り、バラの実のお茶=ローズヒップティーだったのでした。そして、ローズヒップティーに使われる、ローズヒップとしては、バラ科バラ属のハマナスのものが良く用いられると言うことでした。

 「確かに」

 私には大きく頷くものがありました。写真のバラの実を見たとき、「ハマナスの実に似ているな」と思っていたからです。そうか、ハマナスバラ科バラ属だったかあ。

 懐かしい記憶があります。今はもう無くなったかもしれない昭和の風物です。

 生まれ故郷の風習では、お盆を迎えるための大きな飾りを仏間に作っていました。五十年ほど前までは、そのためのグッズを行商人が売りに来ていました。行商人が見せる品物(紙やモナカの皮みたいな物で出来ていました)を、あれこれ楽しげに選び取る祖母の姿を覚えています。そして、必ず買うのがハマナスの実を繋げた、ネックレス様のものでした。それは正面に飾る、最も大事なものであったようです。不思議なオレンジ色の物体、でも何か特別なもの、そんな風に幼い私は眺めていました・・・。

 

 六十年生きて初めて知ったバラの実にまつわるいろいろ。実家の庭やら祖母の楽しげな様子やら、そして、ハマナスの実の鮮やかなオレンジ色。バラバラの記憶が一つの形をなした、そんな思いでいるところなのです。では。