おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

”あの人”のこと

 20年も前の、夫の友人夫妻との会話です。そのお二人はまだ新婚と言ってもいいぐらいの御夫婦で、県外に暮らしておられました。多分、旦那様の実家で過ごされる、初めてのお正月だったかと思います。

 

 奥さん 「私が台所に入ろうとしたら、ちょうどお義母さんが、義弟君に、”あの人の箸はこれでいいわよね”って言ってるのが聞こえたんですよ。私、”あの人”呼ばわりなんですよ」

 夫さん 「いや、悪気は無いと思うけど」

 私   「ああ、”あの人”呼ばわりですか。きっと来年あたりは”あの女”呼ばわりですね」

 

 この会話はなぜかウチの夫に大受けで、夫は度々、「あの女呼ばわり、ククッ」っと思い出し笑いをしていました。ウチの夫は「ククッ」と笑うんですよ。キモカワイイでしょ。ククッ。

 多分、このことがきっかけだったろうと思うのですが、私にはずっと考え続けているのに、答が見つけ出せない疑問があるのです。

 〇〇さんは、と個人の名前で呼ぶより、”あの人”は、と呼ぶ方が他人行儀なのは分かります。時には他人行儀を越えて、冷たい感情が含まれる場合もあります。そして、”あの人”以上に突き放した関係性になるのが、”あの女”や”あの男”という言い方です。これがどうしてなのか、しっくりくる答が見つからないんですよ。

 とくに、”あの男”以上に、”あの女”と言った場合は、負の意味合いが大きい気がします。侮蔑のニュアンスが含まれる場合もありますね。なぜなんでしょうか。どこかにスッキリと解説した文章などないでしょうか。

 

 更に面白いのは、”あの人”や”あの女”呼ばわりは決していい意味とは言えないのに、漢字の”女”に”ひと”とルビを振ると、あ~ら不思議。

 「あの女(ひと)」。ほら、たちまち懐かしいような胸キュンの風情が漂い始めるのです。例えば、函館にそんな女(ひと)が居てご覧なさい。逆巻く波を乗り越えて、はるばる会いに行きたくもなろうというものです。 ねえ、サブちゃん。

 

 

 やっぱり紅白は、”あの方”で締まりますよね。視ようかなあ、紅白。

 

 相手をなんと呼ぶか、そこにどんな意味合いが含まれているのか。言葉の底には深い心理が潜んでいるものなので、興味深いですね。

 もう一つ、私にとって長年の疑問があります。お母さん友達の中に、会話の中で自分の子供のことを「あの人」って言う人がいることです。「あの人、偏食で」とか、「あの人、全然勉強しないの」とか。何が分からないって、「あの人」という普通より距離のある言い方をしていながら、どう見ても子供大好き、子供一番の子煩悩母さんだという点です。それなのに、なぜ「あの人」呼ばわり・・・。全くもって不思議です。

 最初の、”あの人”呼ばわりよりも”あの女”呼ばわりの方が、更に突き放し感があるのはなぜかをメインの疑問とすれば、こちらはサブの疑問になります。どちらでも結構ですので、皆さんのご意見をお聞かせ頂ければ嬉しいです。宜しくお願い致します。では。

 

 

 

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