おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

三日前、髪を切った

今週のお題ビフォーアフター

 

 かれこれ25年ほど、個人でやっている美容院で髪を切ってもらっていました。その間ずっと、パーマをかけるわけでも無く、染めるわけでも無く、少しの形の変化はあったものの、一貫して簡単なショートカットでお願いしてきました。

 「簡単な」というのは、「後の手入れが簡単な」と言う意味で、「あなたはあまり自分でセットとかブローとかしない人だから」と、長い付き合いで美容師さんが心得ていてくれたお陰です。

 25年の月日は万人に平等に流れ、私もすっかり白髪のご婦人となりましたが、私より大分年上の美容師さんは持病もあって、とうとう今夏、引退されました。

 「残念だあ。次の美容院はどこにしよう?」

 「良かったら、知り合いのところ紹介しようか。腕はいいと思うよ」

 「わあ、助かる助かる」

 こんな会話があって、私は無事に新しい美容院の顧客となったのでした。

 

 三日前、髪を切りに行きました。その美容院はこれで三回目かな。若い(私よりは)美容師さんにオーダーをきかれ、次のように答えました。

 「私は襟足が長くて夏はあまり短く出来ないんですけど、冬は常にタートルネックを着るので逆に短めで。トップも短くていいんですけど、耳がむき出しだと寒いので、耳は出ない程度でお願いします」

 美容師さんは、

 「そうですよね、耳が出ると寒いですよね」

と応えるや、早速切り始めました。

 この美容師さん、とにかく手さばきが速い。ザクザクと迷い無くカットしていき、あっという間に終了。洗い流してドライヤーを手ぐしであて、ヘアクリームをつけて軽く撫でると、ハイ出来上がり。

 鏡に映った私のアフター頭は、うん、いい感じ。美容師さんが若い分、ちょっと若返ったスタイルになったと思う。でも、待って、ちょっと待って。首をひねって鏡に横顔を映してみると、耳が完全に出てる!

 「こんな感じです」

と、合わせ鏡で見せられた後頭部は、刈り上げ!というレベル。

 え~、ちょっと短すぎるよ~。心でそう思ったものの、切ってしまったものはしょうがない。まあ、髪はすぐに伸びるから、その内に丁度良くなるでしょう。

 

 帰り道は寒かった~。

 耳と首筋に寒風が刺さるよう。帰宅して、丁度帰省中の息子その1に風を感じる後頭部を見せながら、

 「刈り上げって感じじゃ無い?」

と尋ねると、

 「うん。小学校四年って感じの刈り上げ」

その日はいつまでも首筋がスースーするので、我慢できずに室内なのにスヌードをつけました。

 あれから三日。首筋も耳も、特に寒いと感じなくなりました。スヌードは昨日から不要になっています。人間の順応性って凄いですね。

 

 引退した美容師さんとは、その後も友達づきあいが続いていて、たまに会ってお喋りをするのですが、近いうちにこの頭を見せに行きたいと思っているのです。そう言えば、最初に新しいところでカットして貰った帰り道、切り立てのスタイルを見せに立ち寄ったのでした。

 「今、紹介のお店に行ってきたところ。どう?ちょっと短めだよね」

 「うん、私もあそこででやって貰ってるんだけど、いつも短く切りがちなんだよね。でもいいよ。似合ってる」

そんな会話だったような気がします。

 彼女とは以前は「美容師さんとお客さん」という関係。美容師さんは髪を切る仕事ですが、店を閉めた今後は縁は切らずに、「年の離れた友人」という関係を続けて行けたらと思っています。新しい関係に順応出来たらいいなあ。

 昔、テレビのCMで『抜け初めて分かる、髪は長~い友達』というのがありましたね。古い友達とは長~い友達でいたいものです。長いご縁は、「神の采配」というべき、有り難いものですからね。では。