ポポウという果物はご存じでしょうか。
私は数年前、NHKEテレの『やまと尼寺 精進日記』という番組で知りました。あやふやな記憶なのですが、副住職のご実家から送られてきて、ご住職も「懐かしい」とおっしゃりながら召し上がっておられたような・・・。
初めて聞く、「ポポウ」というなんとも異国風な名前の響きと尼さんという取り合わせがインパクト大で、強く印象に残りました。一度食べてみたいと思いました。でも、難しいだろうな、そうも思いました。
というのは、尼さん達が全く普通の顔をして召し上がるその果物を、私が見るのも聞くのも初めてと言うことは、一般には流通していない果物だろうと思ったからです。恐らく、「桑の実」のように傷みやすくて輸送に耐えないのだろう、そう当たりをつけたのです。また、奈良県あたりではポピュラーだということは、寒い地方には適さない、そういう果物でもあるのだろうと思いました。ますます手の届かない存在です。
ところが。
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なんと言うことでしょう。
上の記事にさらっと「産直のお店」に寄ったと書きましたが、そこには確かに「ポポウ」が売られていたのです。「ポポウ」と商品名が書いてあったのですから、間違いありません。
ああ、それなのに私ったら。
「家の冷蔵庫には頂き物の果物があれこれ入っている。家にある物さえなかなか食べきれないのに、これ以上果物を買うなんてとんでもない」
その時に限って、なぜか「理性スイッチ」がオンになってしまい、結局買わずじまいだったのです。
その結果。
何日たってもポポウが忘れられず、「買ってくれば良かった」と後悔の日々。その事をお友達(買い物には慎重派)に話したところ、
「旅行先での衝動買いは構わない、っていうね。あとから思い直しても買えないから」
本当にその通り。一期一会です。
ところが、一昨日のことです。昨日の拙ブログに書いた「枯れ葉の舞」を見終わったあとに向かったお店で、なんと、「ポポウ」発見。
これはもう買うしか無い!
357円。地物ということでした。へー、弘前あたりでも育つんだ。外見はアケビに似ています。でも、匂いは濃厚。南国の果物特有の芳香を放ちます。
お店の方が食べ方を教えて下さいました。
「熟していないと全然美味しく無いんですよ。柔らかく、いい匂いがしたら食べ頃。種に気をつけて半分に切って、キウイみたいにスプーンで食べるといいですよ」
帰宅し、食べる前にネットで調べたところ、「森のカスタードクリームと言われる」とありました。胸は期待に高鳴ります。
さあ頂きま~す。
う~ん、バナナに少し酸味を加えて全体的に味を薄めにしたような・・・。カスタードクリームはちょっと違うかな?皆さん、見かけましたら、是非、ご自身で確かめてみて下さい。実の大きさに対しての種の立派さは一見の価値ありかと。
ネットによりますと、ポポウ(ポーポーとも)は、バンレイシ科という熱帯性の植物の中で、温帯でも育つ数少ない樹木で、北アメリカ原産。明治時代に日本に入ってきて、寒さ・害虫にも強いため、一時はあちらこちらで栽培されたそうです。でも、私の予想通り、日持ちの悪さから次第に姿を消し、「幻の果物」となったそうです。
「知ってる。食べたことある」という人は、「やまと尼寺」の方達のように、実家に植えられていたというパターンが多いのではないでしょうか。
今回、拙ブログで初めて知って「ほほう」と思われた方、繰り返しますが、チャンスがありましたら是非トライしてみて下さい。
チャンスの女神には後ろ髪がない。私のように、後ろ髪引かれる思いで後悔することがないよう、お勧めしたいと思います。では。