以前、息子その1に、「絵はマチエールも重要だよね」と語ったら、
「お母さん、マチエールって言いたいだけ」と、見事に見抜かれてしまいました。てへぺろ。
どうも、お茶目なお母さんこと、私で~す。今日は私と一緒に「マチエール」について勉強してみましょう。間違えーることもあろうかと思いますので、その際はご指摘いただければ嬉しいです。
絵画における「マチエール」とは、作品の表面の肌合いや質感のことです。多分、そうです。そういう理解で話をすすめます。絵の具の材質や塗り方によって、例えば、ザラザラ、ツルツル、デコボコ、ゴッテリ、サラリなど、その表面から受ける印象は大きく異なります。
テーマや技法、構図、色彩、線、光と影のコントラスト、等々、「絵」の魅力を形作る要素は様々有りますが、マチエールの持つ力も無視できません。そして、「マチエール」は、本物でしか味わうことが出来ないものなのです。どんなに技術がすすんでも、印刷では無理だろうと思います。
私の、決して多くはない本物鑑賞経験で、「マチエール」の凄さ、重要さに気づかされた二人の画家について触れたいと思います。
まず、日本画家・山口蓬春(ほうしゅん)。弘前市立博物館で2年前、2,3点、見ただけなのですが。蓬春モダンとも呼ばれた明るく洗練された画風なので、色使いがとにかくお洒落。そして、表面の質感まで、「垢抜け」てるんです。
無理矢理に言葉で説明するなら、大理石とか漆喰とか、「建材」を見たとき、あるいは、ウールとか麻とかの「生地」を見たとき、「垢抜けてる」って感じることがあるでしょう。そんな感じかな。でも、絶対、伝え切れていないので、結局、実際に「見て」になってしまいます。
下はその時買った絵はがきを撮ったものですが、全然、伝わりませんね。
「留園駘春」 水野美術館蔵
二人目は、ジョルジュ・ルオー。何年か前に、パナソニック汐留ミュージアムでみました。絵の具の厚みが、スゴい圧で迫ってきて、驚かされますよ。昨日のNHK・Eテレ「日曜美術館」で紹介されていて、思い出しました。
今、その汐留ミュージアムでルオー展を開催中とのこと。かなりの点数が並んでいるようなので、「マチエール」を体感しに、是非行ってみて下さい。ルオーの凄さは、実物を見てこそわかる!と思います。
本物を見る楽しさの一つは、この、マチエールに出会えーる、というところも大きいでしょうね。私は青森在住なので、ちょっと厳しいかな。でも行きたい。マヂ考えーるかな。