おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

こうして私は料理好きになった

今週のお題「苦手だったもの」

 昨日の続きです。

 昨日は、「下手・不得意」に「嫌い」という感情が加わることで「○○は苦手」という苦手意識が生まれるのではないかと書きました。そして、私が料理が嫌いなわけを二つ並べておきました。

 

 話は五年ほど前に遡るのですが、定年を三年ほど残して仕事を辞めました。仕事を辞めて特に「やりたい!」と強く望んでいたことはなかったのですが、働いていた時には出来なかった事をいくつか、やってみたいとは思っていました。その中の一つがお料理です。

 「お料理を好きになることはないだろうが、上手になることは出来るかもしれない。そうなれば、少なくとも嫌々ではなくなるだろう」

 そんな風に考えたのです。

 だってね、人は生きている限り永遠に食べなければならないのですよ。80になっても90になっても。しかも、年をとればとるほど市販品や外食に手が伸びなくなる事は予想がつきます。

 「昔食べてた○○が食べたいなあ」

 「もっと野菜をとらなくちゃね」

 そんな時に自分でさっと作れたら、万事解決。しかも、おいしい手料理は家族や友人・知人に喜んで貰えるし。

 さらに、遠くに住む家族や親戚が泊まりがけで来ることになったとき、

 「何を食べさせようか」

と頭を悩ませるのは、あるあるでしょう?それってせっかくの嬉しい時間に水を差しますよね。ところが、お料理上手になると、同じ 

 「何を食べさせようか」

が、楽しみに変わるんですよね。いいなあ、お料上手。

 ♪ ああ あこがれの家庭料理マスターになりたいな ならなくちゃ ゼッタイなってやるー ♪

 こうして私はエプロンモンスター(略してエプモン)になるべく、厳しい修行の旅に出たのでした(嘘です)

 

 有り余る時間を使って、レシピに忠実に作るのが私のやり方です。そして分かった事は、そのレシピ選びが重要だと言うことです。昔から料理本を見るのは好きで、『今日の料理』とか、時々参考にしていました。でも、それが大きな間違い。『今日の料理』(しかも昭和の)は、私にはハードルが高すぎたのです。材料もあれこれ必要で、手順も丁寧すぎて。犬かきしか出来ないのに100m自由形に出場するようなものです。

 でも、今って本当に便利な世の中ですよね。ネットで検索すれば、簡単で美味しいお料理を動画で教えてくれるのです。ハードルがぐっと下がりました。同時に、肩の力が抜けたのです。

 私はちょっと完璧主義なところがあって、自分に甘い割に失敗が許せないタイプ。失敗はしたくないし、上手く出来なかったお料理は二度と作りたくない。そんな性格でしたが、ことお料理に関しては考えが変わったのです。

 「まあ、食べられないことはないし。よし、次は、も少し頑張ろう!」

また、いちいち計量するので時間が凄くかかるのですが、息子その1(グルメです)に、

 「それでいいと思うよ。味がぶれなくて正解じゃない」

と言ってもらえて、自分で自分を納得させられたのでした。

 写真は、お料理というかデザートですが、メロンゼリーに初挑戦。ずいぶん固いゼリーです。以前の私なら出来に不満で、

 「ゼリーはもう止めよう」

と思ったものですが、今は違います。よし、寒天の量を減らしてみよう、次はもっと美味しく作ってやる!と燃えているのです。

 あれっ?これって「嫌々」どころか、好きになってない?そうなんです。肩の力を抜いて、簡単で美味しそうなレシピを試しているうちに、

 「なんだ、お料理って難しく考える必要ないんだ。こんなに簡単に美味しくできるんだ。次は何を作ろうか」

 そんなふうに考えるようになったんです。これって、私、お料理好きになったということですよね?

 はっきり言いましょう。

 「お料理は私の趣味の一つです」

 趣味ですから、お料理、楽しいですよ。

 趣味ですから、色々と挑戦もしたいです。

 でも、やりたくない時はやらないですよ、だって趣味ですから(笑)。

 

 二回にわたって、私のお料理に対する「苦手意識」克服のストーリーを書きましたが、結論は「肩の力を抜く」ということでしょうか。何事も「上手くやらなければ」というこだわりを捨てて、「こんなもんだ」と思えれば嫌いになることもないと思います。嫌いでなければ、「下手」だけれども「苦手意識」までは持たずに済むと思うのです。

 「私はこれでいいんだ!」と、エプロンモンスター(略してエプモン)のポケットには「ジコチュー」を忍ばせること、それが大事だと思っているのです。では。