おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

リンゴの袋はぎ

今週のお題「やったことがあるアルバイト」 

 

 今週のお題をみて、「アルバイトかぁ、あまり経験ないんだよねぇ、私。何かあったっけ?」と記憶を探ったら、15年ほど前でしょうか、知人に頼まれてリンゴの袋を剥ぎ取るというアルバイトを1日やったことがある!と思い出しました。

 「やったことない。出来るかな?」と尻込みする私に、リンゴ農家の娘である知人は次のように頼み込んで来たのでした。

・リンゴの袋はぎは、とにかく人数を確保して、一日二日で全て終わらせなければならない作業である。

・大きな戦力である母が腰を痛め、出来ない。本人が一番焦っている。

・難しい作業ではないし、休み休みやってくれれば良い。

・あたななら大丈夫、出来る!出来る!

 

 最後の口説き文句はなんの根拠もないものでしたが、実際に、私は「できる子」だったのでした。というのは、素人というものはサボり方も分からないために、休憩時間になるまでは一心不乱に作業し続けるからです。知人のご両親からも、「手の速い人だ!」という、喜んでいいのかどうかよくわからない褒め言葉を頂戴しました。

 

 ここで、そもそもリンゴの袋はぎとは何か、説明したいと思います。

 リンゴの栽培には有袋と無袋があります。リンゴの実が小さいうちに袋を被せると、真っ赤な美しいリンゴを収穫することが出来ます。色付きにバラつきが出ないよう、袋は一斉に剥ぎ取ります。あまり日光に当たらない分「甘さ」は劣るのですが、貯蔵性に優れるという利点が有袋栽培にはあります。

 一方無袋栽培は、まず第一に手間がかからないという大きなメリットがあります。袋をかける手間、それを剥ぎ取る手間が無く、コストもかからない。そのかわり、「玉回し」と言って、大きくなったリンゴに満遍なく太陽があたるよう、リンゴの向きを変えてやるという、とんでもなく退屈な作業がありますが。

 また、色があまり良くない代わりに太陽をたっぷり浴びて糖度が増し、味は無袋に軍配が上がります。ただ、日持ちは悪くなります。

 人手不足の問題や、そもそも袋かけの必要のない黄色いリンゴの普及もあってか、リンゴ畑を観察すると無袋栽培も随分普及したようです。それでも、先の知人の実家のような「いいリンゴ」を作っているところでは、まだまだ有袋栽培を続けています。

 「お米には八十八回の手間がかかっている」と言いますが、津軽の人はこう言います。

 「米は休める時があるが、リンゴは一年中休み無しだ」と。

 リンゴ栽培、本当に手間のかかる仕事です。知人のお袋さんの代わりに「袋はぎ」という、たった一日のアルバイト体験でしたが、つくづくと思い知らされたのでした。では。