昨日、おばさん三人で八戸市の種差海岸に行ってきました。
『三陸復興国立公園・国指定名勝』という立派な肩書を持つ種差海岸は、本当に風光明媚、そして独特な植物相を楽しめる場所でもあるのでした。魅力あふれる遊歩道が整備されていて、お勧めの観光地です。
まるで外国の要塞のような葦毛崎展望台から
種差天然芝生地までおよそ5Km、変化に富む海辺の風景を楽しみながら、立ち止まり、立ち止まり、2時間のウォーキングでした。
下の写真が同行の友人二人ですが、二人は生粋の津軽人。津軽美人です、多分(笑)
友A「空が青空になると海も本当に青くなるんだね」
私 「え、そりゃそうだよ。ひょっとして、海の色は空が映ってるって、知らなかった?」
友A「勿論知ってたけど、本当にそうだ!って実感したから。最初は曇り空で灰色の海だったのが、こんなに青くなるんだもの」
そうかぁ、海辺の町で生まれ育った私にとっては「海の風景」は、あまりにも日常なんですよ。海を見て「綺麗だー!」とは思うものの、「有り難み」の域にまでは行かないんですよね。「有り難み」がなければ大きく心が動かないのです。
海の色の変化に感動する友人の発言から、そんなことを思いました。
そして、植物についても同じような気づきがありました
遊歩道にも、天然芝生地の海岸(海のすぐ側でした)にも、それは見事なギボウシの花が咲いていました。中には見たこともないような鮮やかな紫の花もあり、目を奪われました。でも、私は写真は撮らなかった。
こんなことを思っていたからです。
「ギボウシは山の花だから、これは栽培種を植えたんだろうな。人が植えた花なら写真に撮るまでもないか」
ところが、「種差海岸インフォメーションセンター」の職員の方にギボウシについて聞いてみたところ、
「あれは天然のものなんです。ここの植物は特殊でして、海岸なのに高山植物も見られるんですよ」
なんということでしょう、ウォーキングの途中にあちらこちら、珍しいなぁと思う植物が美しい花を咲かせていたのに、勝手に
「遊歩道沿いに植えたんだろうな。そんなこと、しなくていいのに」
なんて、とんでもない誤解をしていたのでした。そんなふうに考えたていたのですから、勿論写真も撮りません。後悔!
ただ「綺麗!」と思うだけでは物足りなく、そこに希少性という「有り難み」が加わって初めて価値を見出す。それは私個人のさもしさによるもの?それとも人間というもののサガ?
いづれにしろ、それが私という人間の価値観なのですから、私にとって大事なことは「知識」だ、と改めて思いました。事前に種差海岸の植物の面白さを知っていれば、もっともっと注意深く周りを観察しただろうし、写真にも残したろうと思います。
これは見たことがない海浜植物だと思い、撮影しました。後で名前を調べて、「聞いたことがある植物だ」と、ちょっと嬉しくなりました。
こんなふうに、写真を撮っておけば旅が二度美味しくなるのですから、勝手な思い込みは慎み、面倒がらずに写真撮影に勤しむことにしたいと、改めて思いました。
ちなみに、友人二人を、波をバックに撮った写真は、撮影したときからタイトルを決めていましたよ。
『波+女=婆』です。では。