このところ、知人のりんご畑に「実すぐり」のお手伝いに通っています。
「実すぐり」について気になる方は、去年の記事をどうぞ。
リンゴの「実すぐり」の「すぐり」とは - おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)
りんご畑に行って作業をしていると、晴れ晴れとした心持ちになります。特に、私のような「お手伝い」という身分は、お天気の良い日を選び、好きな時間帯に好きなだけ働けばいいのですから、楽しさ100%なのです。
広い畑には私と知人(私よりちょっと年上の女性です)の二人きり。それぞれのハシゴを抱え、りんごの木の回りを少しずつ移動して作業を進めます。一本の木を挟むこともあれば、別々の木にかかっていることもあります。変わらないのは、距離にかかわらずお喋りに花が咲くという点です。世間話やお互いの家族のことなども話しますが、特別なのはりんご栽培に関する、さりげなくも含蓄に富んだ言葉を聞かせて頂ける事です。私は本当に素人なので、収穫を左右する実すぐりは恐々やっているところもあるのです。
「実を残しすぎても、二番すぐりでとれば大丈夫だから。後からでもどうにでもなる」
「実を落とし過ぎたら、そういう枝は来年、いい実をつけてくれるから」
「これほど生ってる実が、全部りんごに成ったら枝がもたないよ。どんどん落として」
「せっかく花が咲いても受粉しなかったのは、勝手に落ちるから。今年はそれが多くて心配。でも、勝手に落ちる分、実すぐりの手間が省けるってお義母さんがよく言ってた」
「嫁に来た最初。りんごの蕾を落とすのにビックリして、可哀想だって言ったら、これ全部りんごに成ったら、オラが可哀想だって、お義母さんに笑われた」
「私自身も良く分からないでやってることがいっぱいあって。どれが正解って事はないんだと思う。結局秋になって、その時に答えが出る。だから面白いよね」
この他にもたくさんの知人の励ましの言葉は、慣れない作業をする私に「決断力」をあたえてくれました。
これほどのりんごの木!この鈴なりの実!
私の実すぐりの良し悪しなんてどれほどのものか。りんごは自分の力でりんごになる!
下の写真はりんご畑のクローバーを撮りました。クローバーは地味を豊かにするので、種をまいて育てているのだそうです。
帰化植物も使いよう、ものは考えよう。私は農作業に「苦労している婆さん」=苦労ばあではなく、楽しんで畑に通っているのです。畑が私の四つ葉のクローバーなのですよ。では。