1970年代、「帰化植物」と言えば「セイタカアワダチソウ」とすぐに名前が挙がるほど日本中で大繁殖しましたが、最近は一時の勢力は衰え、ありきたりな「帰化植物」の一つになったようです。

 「帰化植物」は、ほとんど人類の歴史と時を同じくするほど、人間あるところ「帰化植物」ありなのだそうです。なので、許容するのか駆除するのかは、もたらす「害」の有無によって決まるのでしょうが、それも見方によって一概には言えないようで、なかなか難しい問題のようです。

 一例を挙げますと、「ニセアカシア」(ハリエンジュとも言います)。繁殖力が強く、もともとの植生を圧迫します。なので、地元の植生を守ろうとする立場からは伐採すべき、という声もあるそうです。私も先月、岩木川の川縁に大木となって白い花を咲かせるこの木を見て、花に見とれると同時に、あまりの勢いになんだか恐ろしさも感じてしまったのを覚えています。ところが、この花は蜜蜂にとっては大変なご馳走で、長野県の養蜂家からは、保護を訴える声があるのだそうです。

 また、帰化植物の特徴の一つに、大群落を形成する場合があるということがあげられます。もともと「強い」植物だということに加えて、競合する相手がいないといった条件で、あっという間に広がるのです。

 

 「ブタナ」あるいは「タンポポモドキ」という黄色い花をご存知ですか。私がその花を意識したのは、7年ぐらい前です。勿論、名前は知りませんでした。友人と少し遠出のウォーキングに出かけ、そこで目にしました。

 友人 「あれ、タンポポ?」

 私  「違う」(キッパリ)

 友人 「じゃあ何?」

 私  「わからないけど、違う。タンポポはあんなに茎が伸びない。子どもの頃には見たことがないから、下北半島にはない花だと思う」 

 

 黄色いのが「ブタナ」、確かに花はタンポポそっくり。オレンジは「コウリンタンポポ、漢字では紅輪蒲公英と聞きます。どちらも帰化植物です。

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  そして、昨日のことです。子ども達が小さい頃、近くの公園に連れて行くのに通っていた近道を、久しぶりに通ってみようとしたんです。その近道とは簡単に言えば、「よその畑」なんですけど。

 その畑は結構な広さなのですが、耕す面積はどんどん狭くなっていました。手が回らない部分は放置されていたのですが、今では、ほとんどが放置で、畑と放置部分の区別がつかないほどになってしまい、伸びた草が私の近道を消滅させていたのです。

 そして、驚きの光景がこちら。

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 ブタナとコウリンタンポポの群落です。わずか7年程前には「あの花何?」だったのが、この繁殖力。 綺麗は綺麗なのですが、やはりちょっと恐ろしいものがありますね。

 さらに、ビックリの展開がありまして、この畑は我が家の二階から眺めることが出来るので、夕方、カーテンを閉める際に見たところ、黄色い花が忽然と姿を消していたんです。一体何が!

 植物に詳しい方はすぐに察しがつくかと思いますが、ブタナもコウリンタンポポも、朝に咲いて、夜にはその花びらを閉じるのです。特にブタナの方はほとんど完璧にその黄色を隠すように閉じてしまうので、遠くからはすっかり花部分が姿を消したかのように見えたのです。

 その様子はまるで、水が蒸発して姿を消してしまうかのような鮮やかなお手並み、さすが、「きか(気化)植物」と思ったのでした。では。