タイトルは「もずの はやにえ」と読みます。小鳥のモズには、エサである虫やカエルなどを捕まえて木の枝や棘に突き刺さす習性があり、そうしてそのまま春まで突き刺さった状態にあるものをそう呼びます。
せっかくモズが後で食べようと思っていたものが、春早々に他の鳥への贄(貢ぎ物)になってしまうという意味なのだそうです。面白いですね。「サザエさん」のエピソードにありそうな展開です。
百舌の速贄は有名なので、言葉だけは昔から知っていました。でも、実際に目にしたことはありませんでしたし、これから先もないだろうと思っていました。でも、出会いって、あるんですね~。
先日、知人のリンゴ畑に「実すぐり」のお手伝いに行った時のことです。(この写真に写っている「リンゴの赤ちゃん」は、一つを残して摘み取られる運命なのです・・・)
さて、最初に写真の言い訳をさせて下さい。この日は風が強くて、リンゴの枝が揺れて揺れて、ピンボケ写真になってしまったのです。誰よりも残念なのは、私です・・・。
頭だけが無くなったミイラ状態のカエルです。畑の持ち主に、
「これは、モズのハヤニエってやつですか?良く見るんですか?」と聞きましたら、
「いえ、初めて見ました、私も珍しいです」というお返事でした。
根拠はありませんが、私は絶対に「百舌の速贄」だと思っています。だって、自分で小枝に挟まって抜けなくなるカエルって、あり得ないでしょう?敵にやられたとしか思えませんよね。
山に行ったり、公園を散歩したり、そして畑で農作業をしたり、屋外にいるとどんなシチュエーションであれ、自然の雄大さや見事さ、そして不思議に打たれるのですが、こういう厳しさもまた自然がみせてくれる多彩さの一つですね。
カエルもいつもいつも「無事カエル」とはいかない、自然の摂理なのです。では。