3日夜、NHKBS『ワイルドライフ』という番組で、エゾモモンガをみました。
たまたまテレビをつけたらその番組だったのですが、エゾモモンガのあまりの可愛らしさに、すっかり見入ってしまいました。
モモンガはリス科の動物ですが、夜行性なので、とにかく眼が大きくて、可愛いったらありゃしない。そして、リスのように、小っちゃい小っちゃい両手で餌を掴んで食べるんですよ。
さらに、木の穴の中で眠るのですが、夏の間は単独生活。冬になるとお互いに暖め合うために、狭い穴の中に3、4匹、ギュウギュウ固まってるんです。想像しただけで、可愛らしさに悶絶でしょ?
ところが。
昔の日本では、モモンガは妖怪扱いだったんです。なので、広辞苑によりますと、
ももんがあ
①モモンガのこと
②着物をかぶってひじを張り、モモンガのまねをして子供をおどかす時に発する語
③人をののしっていう語。
といった、②、③のようなマイナスの意味も持つのです。夜行性であることに加えて、きっと「モモンガ」という得体の知れない響きが、そのイメージを作ったのではないかと考えます。
この「ももんがあ」のマイナスイメージで思い浮かぶ高村光太郎の詩があります。短いので全部載せます。
根付の国 高村光太郎
頬骨が出て、唇が厚くて、眼が三角で、名人三五郎の彫った根付(ねつけ)の様な顔をして、
魂を抜かれた様にぽかんとして
自分を知らない、こせこせした
命のやすい
見栄坊な
小さく固まって、納まり返った
猿の様な、狐のような、ももんがあの様な、だぼはぜの様な、麦魚(めだか)の様な、鬼瓦のような、茶碗のかけらの様な日本人
辛辣ですね~。フランス帰りの高村光太郎にとっては、日本人の何もかもが腹立たしく、情けなく、恨めしかったんでしょうね。
ちょっと分かる気もしなくもないのが、悲しいですね。(この自虐的なところも日本人の欠点なのかしらね)
高村光太郎の他に、夏目漱石も『坊ちゃん』のなかで「モモンガ」を罵り語として使っていて、本当のモモンガは上の写真のように超かわいいのに、とんだ風評被害です。
モモンガの正当な評価のために、例えば、アイドルグループ「モモンガ・クローバー・ゼット」とか、ヒーローもので「森林戦隊・モモンガー」とか出来ないものでしょうか。
皆で一緒に応援しましょうよ。着物をかぶってひじを張り、「ももんがあ!」と叫びましょう!