おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

クローン猫の不思議 2

 昨日の記事は、下のような思わせぶりな終わり方でした。今日は続きですが、難しい内容になりそうな予感。覚悟して読んで下さい。

 

 さて、この後、番組ではいよいよ、クローン猫が紹介されます。クローンの元になった猫、親猫と呼ぶことにします。まず、親猫の写真が紹介されます。続いて、「こちらがそのクローンです」、そう言って示されたクローン猫(子猫と呼ぶことにします)の写真。

 私達の想像は裏切られます。どんな風に?続きは明日、ではお楽しみに。

 

 そもそも、皆さんは「クローン」というものに、どのようなイメージをお持ちですか?まだまだSFの世界の話?それとも、すぐそこの未来まで来ているテクノロジー

 いずれにしろ、例えば「自分のクローン」と言った場合、自分そっくりの存在をイメージしますよね。なので、昨日の文章では、親猫・子猫と表現しましたが、正確には「年の離れた一卵性双生児の弟または妹」ということになるのです。普通の兄弟や二卵性双生児の間では、遺伝子=DNAが異なります。が、一卵性双生児の場合は一個の受精卵から二人の人間が出来たのですから、DNAは全く同じです。この、全く同じDNAを持つという点がクローンの特徴と一致するのです。

 

 クローン技術で作られた最も有名な動物は羊のドリーでしょう。その後も、何種類かの哺乳類のクローンが作られています。猫のクローンも2匹作られました。

 

 最初に作られたクローン猫の名前は「CC」。カーボンコピーの略ですが、コピーキャット、クローンキャットの意味もあるのだそう。これはうまい名付けですね。

 CCは白地に灰色の「トラ猫」です。ところが、「親猫」は白地に茶色、黄褐色、金色の斑点模様の三毛猫だったのです!

 なんで~、同じDNAを持つなら、同じ模様の猫になるんじゃないの?ここにもまた、猫の毛の色の特別さ・不思議さがあるのです。

 

 DNAは生命の設計図、生物はDNAの通りにつくられるものだ、そんな風に思い込んでいました。皆さんもそうじゃないですか。ところが、最近では、DNAの設計図自体は変わらなくても、外的要因によって、微妙に出来上がりは違うものになるという仕組みが明らかになってきたのだそうです。これをエピジェネティクスと言います。興味のある方はググッてみて下さい。私流に簡単に説明させていただきますと、

 同じレシピで、レシピ通りにお料理を作っても、人によって出来上がりはマチマチといった感じです。

 話を「CC」の毛色に戻します。「CC」のDNAは親猫と完全に一致しています。しかし、猫の毛色の発現のメカニズムは非常に複雑で、ちょっとした外的要因によって、簡単に変化してしまうのだそうです。そのため、「CC」は、親猫とは全く異なる姿になったのだそうです。そしてこの、メカニズムが複雑で変化しやすいという性質が、猫の毛色のヴァリエーションの豊富さ、同じ三毛であっても柄が違うといった個体差を生むことになるのだそうです。

 

 二日にわたって、猫の毛色の不思議さに関する長い話を書きましたが、ご理解いただけたでしょうか。皆さんに、「へー」と思っていただければ、大変嬉しいです。

 お付き合い有り難うございました。皆さん、ごくろ~ん様でした。