おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

確率の問題なんだよね

 皆さんは数学は得意ですか?

 私は苦手です。小学生の頃には既に、算数には強い苦手意識がありました。なので、自分は根っからの「文系人間」だと思っています。「文系人間」か「理系人間」かのリトマス紙は、ずばり数学ですよね。

 そんな私なのですが、なぜか先月までNHK総合で水曜日深夜に放送されていた『笑わない数学』という番組が気に入って、毎週録画して視ていました。録画して視ていたのには悲しくも深い理由があって、一度解説を聞いただけでは理解できないので、繰り返し視るためなのでした。ところが、さらに悲しいことには、繰り返し視ても良く理解できない部分があり、しかも理解できたつもりの所でさえ、次の日には忘れてしまうのでした・・・。

 

 さて、その番組で紹介された確率の問題がとても面白かったので、皆さんにも是非考えて頂きたいと思います。

 

 問 題(この問題はモンティ・ホール問題と呼ばれます。正しく知りたい方はググってみて下さい) 

 三つの箱A、B、Cがあります。今、私がその内の一つに100万円入れます。100万円の箱を当てられたらあなたに差し上げますよ。あなたは箱を一つ選びます。あなたはAの箱を選びました。私は残った箱の内、外れの箱Cを開けて見せます。そして気前のいいことに、あなたにチャンスを上げるのです。「Bに変えてもいいですよ」と。変えるべきか変えないべきか。あなたはどうしますか?

 

 正 解 変えるべき。変えることによって当たる確率は二倍になる。

 解 説(いろいろな解説の方法があるのですが、ここでは私が分かりやすいと思った解説の方法で説明することにします) 

 あなたがAの箱を選んだ時点で、当たる確率は1/3ですよね。選ばれなかった「B・Cチーム」の方に当たる確率は2/3です。そして、B・Cチームのうち、Cは蓋がオープンの状態になりました。Bに変えると言うことは、「蓋が閉じているBと開いたC」つまりは「B・Cチーム」を選ぶと言うことで、当たる確率は2/3のままなのです。ゆえに、絶対変えるべき。

 「なんか釈然としない」、そう思われる方もいらっしゃるでしょう。それも当然、この問題は確率的に正しいことでも私たち人間の直感とは大きく食い違う例として、有名な問題なのだそうです。

 番組でも、納得しない視聴者を想定してなのでしょう。「実際にやってみましょう」ということで、変えない場合と変える場合を各100回ずつ、実験して見せました。

 結果は見事に確率通り。変えない場合は33/100、変えた場合は70/100となったのでした。(済みません、数字はちょっとうろ覚え。でも、変えた場合は約2倍の正解率になるのは間違いないです)

 

 「モンティ・ホール問題」そのものついてのお話は以上です。ここからはこの話題に関連した、私の友人達についてのお話です。

 類は友を呼ぶと言いますが、私と同じおばさんで、かつ文系人間である四人の友人にこの問題を出してみたのです。結果は四人とも「変えない」ということでした。驚いたのはその理由です。四人とも変えない理由としてあげたのは、

 「変えて外れると、悔しさが倍増」

 「Aのままで外れても諦めがつく」 

 「テストでも、答えを変えるとたいてい外れて後悔するよね」

 こんな感じで、理由はすべて「感情」の類いで、「確率」という単語は一度も登場しないのでした。いやあ、我が友ながらちょっと笑ってしまいました。

 勿論、私はちゃんと確率論で考えましたよ。

 「Cの箱が外れなのだから、当たりはAまたはB。確率は1/2。どちらを選んでも同じ確率なら、初志貫徹!」ってね。答えは不正解でしたが、私ってひょっとしたら、文系は文系でもちょっと理系よりなのかも。友人達の「理由」を聞きながらそんなことを思いました。

 まあそれはともかく、理系の方にしたら、確率の問題に「感情」で対処するなんて、あまりにも非論理的すぎると思いますよね。でも、文系人間にとっての行動原理は、やっぱり理屈や論理より感情なんですよ。つまり、文系人間はこう考えてしまうのです。

 「論理だけではロンリー」と。では。