「若いときはあんなに寝れたのに。今は長い時間、寝らさらないんだよね。」
標準語しか知らない人は「ら抜き」だとか「後半、意味わかんない」とか言うんでしょうね。
「ら抜き」についてはこちらの記事にかきましたので、割愛。
chokoreitodaisuki.hatenablog.com
今日のテーマは、津軽弁・下北弁の「さる」についてです。
飲まさる。笑わさる。泣がさる。しゃべらさる。悔やまさる・・・。
自発の助動詞「れる」「られる」は、標準語の世界。津軽弁(下北弁も)の世界では、
「さる」を使うのです。自分の意志とは無関係に、体が勝手に、あるいは自然にそのように動いてしまう状態が、「さる」です。
例えば。
お酒があまりに美味しいと、「飲み過ぎてはいけない」という理性に反して、手が勝手にグラスを口元へと運んでしまい、『なんぼでも、飲まさる』
その結果、酔っ払い誕生。たいして可笑しくもないのにゲラゲラ『笑わさる』。悲しいこともないのに『泣がさる』。泣き上戸なだけなのに、回りも酔っ払いで「どうした?どうした?」と絡んでくるものだから、愚痴・悪口がなんぼでも『しゃべらさる』。次の日、酔いが覚めて、大いに『悔やまさる』・・・。
雰囲気は伝わりましたでしょうか。
「イッツ、オートマチック」であって、何かに操られるかのように動いてしまう状態を表すのです。
気をつけて聞いていると、津軽の人も下北の人も、自発の助動詞はほとんどこの「さる」を使っていて、「昨日の事が悔やまれる」のような言い方はしないようなのです。
さすが、北限の「さる」の生息地、青森県!
大好きなエンゼルパイ。しかも、期間限定「和栗」。これは「買わさる」
和栗は今が旬ですね、「わぐり・しゅん」なんちゃって。
・・・さて、本日の締めに入りたいと思います。
「うたてし」という古語を習った覚えはありますでしょうか?
うたてし……(形容詞)嘆かわしい、気にくわない、気の毒だ、など。
津軽弁には、この「うたてし」から派生した、「うだで」という形容詞があります。もともとの意味は「気持ちが悪い」ですが、最近では「もの凄い」といった意味でも使われているようです。
用例:ウタダの才能、ウダデ~!
え~っと、何か言いたいことがある方もいらっしゃるでしょうが、そこは「サル者は追わず」でお願いしたいと思います。では。