おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

驚愕語源、「割愛」

 語源を知って驚くこと、ありますよね。皆さんが今までで一番驚いたのは、なんという言葉の語源ですか。

 私は、昨日の記事の中で「・・・割愛します」という表現を使った瞬間、

「割愛」、この言葉の語源を知ったときの衝撃がまざまざと甦り、よし、明日の記事はコレだ!と心に決めましたよ。

 

 割愛とは、①愛執を断ち切ること。②惜しく思うものを思い切って手放すこと。

①は元々は仏教用語です。その後、「割愛」は全く違うシチュエーションで用いられ、②の意味はそこから派生し、今日のような使われ方をするようになったらしいです。

 そのシチュエーションを説明します。

 蚕(かいこ)、そうあの絹糸を吐いて繭を作る、蚕蛾の幼虫のことです。ほとんどの蚕は「繭」を作ったらお役目終了となり、成虫になることはありません。成虫(蛾)になることが許されるのはほんの一握りです。彼等・彼女等は、卵を採取するという人間の目的に奉仕することになります。

 フェロモンに導かれ、蚕蛾の雄と雌は交尾します。そして、彼等は離れません。何時間もつながったまま。放っておくと命尽きるまで、つながったまま。それでは大事な「産卵」という使命が果たせません。そこで、人間(蚕の飼い主)が、カップルを引き離すのです。その際、ただ引っ張ったぐらいでは離れないので、ねじるようにして、引き離すのだそうです。これを「割愛」と言います。

 おかしいでしょう?子孫を残すための交尾なのに、それを果たさずに交尾し続けるなんて。本末転倒。実はそれも人間のせいなのだそうです。とにかく、質の良い絹糸を大量に吐かせることを目的に品種改良した結果、自力で正しく交尾をなすことの出来ない品種が出来上がったということらしいです・・・。

  かつて、養蚕の盛んな地方では蚕は「お」と「さん」付け。「お蚕さん」と呼ばれて、人間より大事に大事にされたのだとか。過保護についての寓意に満ちたエピソードだと思いませんか。

 

 カイコの数が激減した日本。今度はカイゴが急増。絹糸の代わりに吐くのは「ため息」か「弱音」でしょうか・・・。

 

 

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 馬が好き。「馬が合う」の。ちなみに語源は、馬と騎手の息が合えば、大いに力が発揮できるということから。高齢化社会に馬を合わせて、上手く駈けていきましょうね。