二年前に見た「藤田嗣治展」。看板にもなっている「猫」の絵も印象に残っていますが、なんと言ってもコレ!一番強い印象を残したのがこの肖像写真。
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※この写真は今回の東京都美術館での「藤田嗣治展」のパンフレット裏面のものです
会場に入ってすぐ、この写真が大きく飾られていて、あまりのカッコ良さに呆然としてしまいました。ここまで猫を持ち上げて(文字通り)、それでいながら猫に負けない存在感!スゴくない?藤田はセルフプロデュースの才もありますね~。
話は飛びますが、10年以上も前、オーストラリアに旅行しました。大勢の日本人留学生を見かけました。不思議なことに、オーストラリアに留学する人達って、揃いもそろって「子供体型」なんですね。最初、ホントに「なんでかな~」って、考えてたんですよ。そして、ある瞬間気がつくわけです。
日本に居るときは気がつかないが、多種多様な人種の中で日本人を見ると、6頭身の子供体型に見えるんだ!あの人達だけじゃない、私自身もその内の一人なんだ!と。
2年前の「藤田嗣治展」で強く印象に残った作品に、世界的名声を得て日本に凱旋した藤田が「日本人の魚屋」を描いた一枚がありました。ショックでしたね。モデルは中年の魚屋のオヤジなのに、まるで子供がままごと遊びで「魚屋に扮した」かのような姿だったんです。
ああ、長年ヨーロッパ人を見慣れた目で日本人を見ると、こう見えるんだ。随分、情け容赦なく描いたもんじゃないか。そんな風に感じ、すぐに自分自身のオーストラリアでの体験を思い出したというわけです。
昭和初期。ヨーロッパ、それも花の都パリに身を置いた、日本人の藤田。藤田は作品もさることながら、画家本人がパリでも大変な人気者だったのだそうです。冒頭の写真をみれば、納得です。カッコ良さは身長や小さい頭にあるのではないと勇気づけられますね。
ほんとうにあの写真は見ると、思わず「きゃっ」と声を上げたくなるほどステキなんですよ。きっと今回も飾られると思います。是非、ご覧下さい。