おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

じいさま食べても「わかさいも」

北海道の地震、お見舞い申し上げます。

 

 以前にも書きましたが、私の故郷は津軽海峡を隔てて、北海道がすぐお向かい。

テレビも北海道の電波を受信していました。学生時代には、北海道出身の友達も出来ました。なので、北海道はすごく身近に感じる「土地」なのです。

 

 北海道出身の友人達からは六花亭のチョコレートを良く貰いました。でも、帯広出身の友達の一人は「私は断然、柳月(りゅうげつ)派」と言って、「三方六(さんぽうろく)」という、バームクーヘンにホワイトチョコをコーティングして白樺の木に見立てたお菓子を買ってきてくれました。

 

 私の中学校の修学旅行は北海道だったんですよ。お土産の定番は「バター飴」か「わかさいも」。ダジャレ好きの私としては「じいさま食べてもわかさいも」は、忘れられないキャッチフレーズです。

 

 私が小学生の頃、近所に住む叔父が出張で北海道に行きまして。そのお土産がヒグマをかたどったチョコレート。身長20㎝ぐらいの熊で、割って食べるためのトンカチも付いていました。それを親戚の子供達、一人に一箱という大盤振る舞いで。嬉しかったな~。57歳の今でも忘れられないほどです。

 

 父が若かった頃の思い出話です。私が生まれるずっと前の事です。仕事で小樽に滞在したことがあったのだそうです。その時に食べた「ヤカタ」のケーキの美味しさは忘れられないと、何度も聞かされました。

 

 今回は時を経ても忘れられない、思い出のお菓子の話に絞って書いてみましたが、海のものも、畑のものも、北海道には美味しいものがたくさん。美味しいものが溢れる土地は、人々のエネルギーも溢れる土地だろうと思います。

 物流が回復して、北海道のパワーが詰まった美味しものが届く日が、一日も早く訪れますように。

 

 

f:id:takakotakakosun:20180908220155j:plain春一番に芽吹くふきのとう

 

 六花亭の包装紙の、素朴な草花の絵を描いた画家・坂本直行氏(1906~1982)は、坂本龍馬の長姉・千鶴の子孫で、坂本家八代目当主にあたるのだそうですよ。

チャーミングな大坂なおみちゃん

 大活躍のプロテニスプレイヤーに「ちゃん」付けもどうかとは思ったんですが、

「なおみちゃん」って呼びたい、大坂なおみ選手。

 

 日本でもアメリカでも、大人気のようですね。人気の秘密は第一にはその強さでしょうが、試合後のコメントの、試合姿とのギャップに萌える方も多いようで。NHKの朝のニュースのアナウンサーの方も、「大坂選手のインタビューが聞けてうれしい」とコメントしたりしてますもんね。

 

 特に日本での人気を高めている要因に、彼女の「名前」が一役買っているのではないでしょうか。名字も名前も、「いかにも日本人」って感じで、親しみやすい。ねっ。

 そうかも、って思った方、ちょっと待った~!

 フフフ、引っかかりましたね。実は、なおみ(Naomi)は日本人の名前ではなかったんです。もともとは旧約聖書・ルツ記に登場する、れっきとした「ユダヤ人」の名前なんです。ナオミ・キャンベルナオミ・ワッツといった、西洋人にそのお名前の方がいらっしゃるのは当然なんですね。

 では、なぜ、日本でも「なおみ」と言う名前が一般的になったのか。

 文豪・谷崎潤一郎に「痴人の愛」という作品があります。谷崎は主役の男女は、なにかハイカラな名前にしようと思ったんですね。M男とS女という、独特な登場人物の個性の一つとしてふさわしい名前をと考えた結果、「譲治」と「奈緒美」、そう「ジョージ」と「ナオミ」という外国風の名前を付けることにしたのだそうです。(昔、何かの本で読んだ内容です。だいたいこんな感じだったと記憶しています)

 「痴人の愛」からは、「ナオミズム」という言葉も生まれたし、映画化もされました。その結果、「なおみ」はすっかり日本人の名前として定着したというわけです。

 

 そうそう、男性の方を忘れていました。もちろん、「じょうじ」さんの方も、日本人の名前として一般的になりましたとも。長い年月の風雪流れ旅の末に。

 

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 弘前市のお隣、田舎館村の「田んぼアート」。2015年は「風と共に去りぬ」でした。

 この写真をチョイスしたのは、ヒロインが「スカーレット・オハラ」なので。「おはら」さんって、日本人の名字みたいでしょ?(小浜市オバマ大統領に乗っかった感じ?) 

「猫またぎ」が好きなんです

今週のお題「ひんやり飯」

 

 水漬けとは、ご飯に水をかけたものです。水飯(すいはん)という言い方もするそうです。お湯をかければ、湯漬け、お茶をかければ、お茶漬け。「ご飯」って、ホントにフレキシブルな頼りになる存在です。

 

 今の食欲旺盛な自分からは想像もつかないのですが、食の細い子供でした。当然、痩せてました。暑さにも弱かったので、夏は特にご飯がすすまなくて、そんな時はよく「水漬け」にして、刻んだ沢庵をのっけて、子供茶碗にやっと一膳食べていました。

 沢庵以外に、「水漬け」によくのっけたのが、鮭の塩焼き。中でも、しょっぱい、しょっぱい、思い出しただけで口の中によだれが溢れてくるよう塩鮭が、「水漬け」には最高でした。そんなしょっぱい鮭を、実家では「猫またぎ」と言いました。しょっぱすぎて、猫も食べずに跨いで過ぎる、という意味です。

 改めて広辞苑を引きましたら、

 猫跨ぎ ①(魚の好きな猫でさえもまたいで通り越すという意味で)まずい魚

       をいう

     ②猫が残りを食う余地のないほど、きれいに魚を食べること、また、それ

      ほど美味な魚。

 どっち?まずいの、美味なの?どっちなの?こんなにも真逆な意味を持つなんて、なんとも不思議な言葉です。

 

f:id:takakotakakosun:20180907030735j:plain (大辛口)と表記

 

焼くと、こうなります

 

f:id:takakotakakosun:20180907030753j:plain 白く塩が浮いています

 

 この大辛口の鮭、息子達も大好きで、食べ方も心得たもの。一人一切れで配膳された鮭を、一食では食べきらず、食べ残しにはラップをかけて冷蔵庫にしまい、3~4回にわけて食べきるのです。なんたって、しょっぱすぎですもの。

 ところが、ある日の朝食。「おっ、しょっぱい鮭だ」と喜んで食べていた夫と二人の息子達。「ご馳走様」と言う夫を何気なく見た息子達から驚きの叫びが。

 「鮭、完食してる!」「このしょっぱさを、なんで食べ切れるんだ!」「血圧も高いはずだ!」

 そう、夫は高血圧。なのにというか、やはりというか。「自然科学」好きな私としては「物事には必ず原因がある」と、改めて思った次第です。

 

 今年の夏。息子その2は帰省の際、「家に帰ったら、鮭の大辛口が食べたい」という連絡を寄越しました。この息子も小さい頃は食が細くてやせっぽっちだったのに、今は酒太り。酒のつまみに何でも、パクパク食べて、しまいには朝ご飯の残りの「大辛口」を肴にする始末。

 好きなものを好きなだけ食べさせたい。でも「血圧」が心配。あとは本人の自覚に期待するしかない・・・。

 ドラゴンボールの、「悟飯」を思う「悟空」も、こんな気持ちだったのかしらね。そんな気がします。

津軽弁とマーガレット・サッチャー

最近、長文の記事が続いたので、今日はあっさり行こうかな。

 

 私のお国言葉は「下北弁」なので、「津軽弁」に驚かされることがしばしばあります。

 「姉(あね)おなご」という単語を聞いたときは、ちょっと時が止まるぐらいの衝撃がありましたね。津軽でもかなり年配の方しか使わないので、若い人は知らないようです。意味は「お姉さん」。最近の諸事情はともかく、昔はお姉さんと言えば「女(おなご)」に決まっていたのに、何故わざわざ「姉」に「おなご」をつける?ちなみに、「妹おなご」とか「兄おどご」という言い方はしないんですよ。「姉おなご」だけ。不思議。

 そして、この姉おなごという津軽弁から私がいつも連想してしまうのが、イギリスの元首相・故マーガレット・サッチャー氏なのです。生前、彼女はその功績により、一代貴族として「爵位」を贈られています。「バロネス」という爵位です。「バロン」は「男爵」ですが、「バロネス」は日本語では

「女男爵」と訳します。日本のアニメのキャラクター「あしゅら男爵」を彷彿とさせますね。

 「女男爵」・・・。なんだか複雑ですが、「鉄の女」と呼ばれた彼女にピッタリのような気もします。

 

f:id:takakotakakosun:20180905203036p:plain この花にまつわる、私の「のろけ話」を聞いて下さい。

 

結婚して間もない頃、夫と入ったレストランに、この花が飾られてありました。

 夫 「この花は何て言うの?」

 私 「ヒントをあげます。あなたは男兄弟ばかりで、妹もなければ、、、」

 夫 「姉もねぇ(アネモネ)」

間髪を入れない答に、「この人と結婚して良かった」と思いました・・・。

 

 

チバニアン=「千葉時代」

 夏井いつき先生といえば、今をときめく俳句界一の売れっ子。「プレバト」みてますよ。先生の的確で論理的な解説、素晴らしいですね。

 その夏井先生が、NHKEテレの「サイエンスゼロ」に二週続けて出演されました。今日は、その二週目の「チバニアン」の回について書きたいと思います。(一週目のスーパーカミオカンデの回もとっても面白く、内容も濃いものでした)

 

 チバニアンとはラテン語で「千葉時代」。地球は巨大な磁石のようなもので「S極・N極」があるわけですが、77万年前までは今とは逆向きだったんだそうです。それが、77万年前から12万6千年前までという、長いようで、地球の歴史から見れば短いとも言える期間の間に、行きつ戻りつしながら、現在の「極」の向きに落ち着いたのだそうです。その、およそ64万年という「フラフラ期」を証明する地層が千葉県にあり、だったらその時代を千葉時代チバニアンと名付けよう、という審査が現在行われていると、多分、こんなことだと思うんです。

 

 8月26日放送の「サイエンスゼロ」では、俳人・夏井いつき氏と茨城大学理学部教授・岡田誠氏が視聴者から募った「チバニアン」を兼題とした俳句を鑑賞したわけです。

 岡田氏は  チバニアン海底に積む夏幾万  という句を推されました。

 今、目にすることが出来る「チバニアン」を示す地層は、元々は海底で形成され隆起したものだそうです。そして、岡田氏がおっしゃるには、「私達のやっていることは、まさにこの地層にどれだけの夏、つまり年月が詰まっているのか、ということなんです。すごく、わかっている句だと思います」ということでした。夏井氏も「俳句としてもいいですよ」と評価しておられました。

 

 僭越ながら、私がいいなと思った句も紹介させて下さい。

 緑陰に腸(はらわた)晒(さら)すチバニアン

 むき出しになった地層が、まるで地球の腸のようだ、という意味になるかと思います。この句は、対比が効いていますね。緑陰という爽やかな季語に対して「腸」という生々しさのある名詞。「腸」という柔らかい感触に対してチバニアンという「地層」の堅さ。テクニックとしての面白さがあります。そして、やはりなんと言っても、全体を流れる「詩」がありますね。

 この「詩」があるという表現は夏井先生も「プレバト」でちょくちょくおっしゃいますが、これは論理で説明できない部分なんですよ。説明できないから、「句」を作る。

 

サイエンスゼロ」の「575でカガク」という企画について書きました。一週目も二週目も、最初は「俳句なんかわからない」というスタンスだった科学者が、だんだん俳句を面白いと感じるようになって行く様子が、とっても面白かったのです。科学と俳句は案外相性がいいのかもしれません。そういえば、有名な科学者でかつ俳人っていう方もいらっしゃるし。

 

次回の「575でカガク」が楽しみです。指折り数えて待ちたいと思います。(俳句を作るときって、つい、指を折ってしまいますよね)

 

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 デボン紀シルル紀石炭紀の間。イギリスのデボン州にちなむ)の化石

地磁気の逆転もドラマチックだとは思うんですが、こういう化石が出る地層の方が、なんというか、景気がいいというか、ゴチソウ感があるというか・・・。

 

 

驚愕語源、「割愛」

 語源を知って驚くこと、ありますよね。皆さんが今までで一番驚いたのは、なんという言葉の語源ですか。

 私は、昨日の記事の中で「・・・割愛します」という表現を使った瞬間、

「割愛」、この言葉の語源を知ったときの衝撃がまざまざと甦り、よし、明日の記事はコレだ!と心に決めましたよ。

 

 割愛とは、①愛執を断ち切ること。②惜しく思うものを思い切って手放すこと。

①は元々は仏教用語です。その後、「割愛」は全く違うシチュエーションで用いられ、②の意味はそこから派生し、今日のような使われ方をするようになったらしいです。

 そのシチュエーションを説明します。

 蚕(かいこ)、そうあの絹糸を吐いて繭を作る、蚕蛾の幼虫のことです。ほとんどの蚕は「繭」を作ったらお役目終了となり、成虫になることはありません。成虫(蛾)になることが許されるのはほんの一握りです。彼等・彼女等は、卵を採取するという人間の目的に奉仕することになります。

 フェロモンに導かれ、蚕蛾の雄と雌は交尾します。そして、彼等は離れません。何時間もつながったまま。放っておくと命尽きるまで、つながったまま。それでは大事な「産卵」という使命が果たせません。そこで、人間(蚕の飼い主)が、カップルを引き離すのです。その際、ただ引っ張ったぐらいでは離れないので、ねじるようにして、引き離すのだそうです。これを「割愛」と言います。

 おかしいでしょう?子孫を残すための交尾なのに、それを果たさずに交尾し続けるなんて。本末転倒。実はそれも人間のせいなのだそうです。とにかく、質の良い絹糸を大量に吐かせることを目的に品種改良した結果、自力で正しく交尾をなすことの出来ない品種が出来上がったということらしいです・・・。

  かつて、養蚕の盛んな地方では蚕は「お」と「さん」付け。「お蚕さん」と呼ばれて、人間より大事に大事にされたのだとか。過保護についての寓意に満ちたエピソードだと思いませんか。

 

 カイコの数が激減した日本。今度はカイゴが急増。絹糸の代わりに吐くのは「ため息」か「弱音」でしょうか・・・。

 

 

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 馬が好き。「馬が合う」の。ちなみに語源は、馬と騎手の息が合えば、大いに力が発揮できるということから。高齢化社会に馬を合わせて、上手く駈けていきましょうね。

津軽弁・下北弁には、自発の助動詞「さる」がある

「若いときはあんなに寝れたのに。今は長い時間、寝らさらないんだよね。」

標準語しか知らない人は「ら抜き」だとか「後半、意味わかんない」とか言うんでしょうね。

「ら抜き」についてはこちらの記事にかきましたので、割愛。

chokoreitodaisuki.hatenablog.com

 

今日のテーマは、津軽弁・下北弁の「さる」についてです。

 

飲まさる。笑わさる。泣がさる。しゃべらさる。悔やまさる・・・。

自発の助動詞「れる」「られる」は、標準語の世界。津軽弁(下北弁も)の世界では、

「さる」を使うのです。自分の意志とは無関係に、体が勝手に、あるいは自然にそのように動いてしまう状態が、「さる」です。

  例えば。

 お酒があまりに美味しいと、「飲み過ぎてはいけない」という理性に反して、手が勝手にグラスを口元へと運んでしまい、『なんぼでも、飲まさる』

 その結果、酔っ払い誕生。たいして可笑しくもないのにゲラゲラ『笑わさる』。悲しいこともないのに『泣がさる』。泣き上戸なだけなのに、回りも酔っ払いで「どうした?どうした?」と絡んでくるものだから、愚痴・悪口がなんぼでも『しゃべらさる』。次の日、酔いが覚めて、大いに『悔やまさる』・・・。

  雰囲気は伝わりましたでしょうか。

 「イッツ、オートマチック」であって、何かに操られるかのように動いてしまう状態を表すのです。

 気をつけて聞いていると、津軽の人も下北の人も、自発の助動詞はほとんどこの「さる」を使っていて、「昨日の事が悔やまれる」のような言い方はしないようなのです。

 

さすが、北限の「さる」の生息地、青森県

 

大好きなエンゼルパイ。しかも、期間限定「和栗」。これは「買わさる」

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和栗は今が旬ですね、「わぐり・しゅん」なんちゃって。

 

 ・・・さて、本日の締めに入りたいと思います。

 「うたてし」という古語を習った覚えはありますでしょうか?

  うたてし……(形容詞)嘆かわしい、気にくわない、気の毒だ、など。

 津軽弁には、この「うたてし」から派生した、「うだで」という形容詞があります。もともとの意味は「気持ちが悪い」ですが、最近では「もの凄い」といった意味でも使われているようです。

 用例:ウタダの才能、ウダデ~! 

      

 え~っと、何か言いたいことがある方もいらっしゃるでしょうが、そこは「サル者は追わず」でお願いしたいと思います。では。