今週のお題「ひんやり飯」
水漬けとは、ご飯に水をかけたものです。水飯(すいはん)という言い方もするそうです。お湯をかければ、湯漬け、お茶をかければ、お茶漬け。「ご飯」って、ホントにフレキシブルな頼りになる存在です。
今の食欲旺盛な自分からは想像もつかないのですが、食の細い子供でした。当然、痩せてました。暑さにも弱かったので、夏は特にご飯がすすまなくて、そんな時はよく「水漬け」にして、刻んだ沢庵をのっけて、子供茶碗にやっと一膳食べていました。
沢庵以外に、「水漬け」によくのっけたのが、鮭の塩焼き。中でも、しょっぱい、しょっぱい、思い出しただけで口の中によだれが溢れてくるよう塩鮭が、「水漬け」には最高でした。そんなしょっぱい鮭を、実家では「猫またぎ」と言いました。しょっぱすぎて、猫も食べずに跨いで過ぎる、という意味です。
改めて広辞苑を引きましたら、
猫跨ぎ ①(魚の好きな猫でさえもまたいで通り越すという意味で)まずい魚
をいう
②猫が残りを食う余地のないほど、きれいに魚を食べること、また、それ
ほど美味な魚。
どっち?まずいの、美味なの?どっちなの?こんなにも真逆な意味を持つなんて、なんとも不思議な言葉です。
(大辛口)と表記
焼くと、こうなります
↓
白く塩が浮いています
この大辛口の鮭、息子達も大好きで、食べ方も心得たもの。一人一切れで配膳された鮭を、一食では食べきらず、食べ残しにはラップをかけて冷蔵庫にしまい、3~4回にわけて食べきるのです。なんたって、しょっぱすぎですもの。
ところが、ある日の朝食。「おっ、しょっぱい鮭だ」と喜んで食べていた夫と二人の息子達。「ご馳走様」と言う夫を何気なく見た息子達から驚きの叫びが。
「鮭、完食してる!」「このしょっぱさを、なんで食べ切れるんだ!」「血圧も高いはずだ!」
そう、夫は高血圧。なのにというか、やはりというか。「自然科学」好きな私としては「物事には必ず原因がある」と、改めて思った次第です。
今年の夏。息子その2は帰省の際、「家に帰ったら、鮭の大辛口が食べたい」という連絡を寄越しました。この息子も小さい頃は食が細くてやせっぽっちだったのに、今は酒太り。酒のつまみに何でも、パクパク食べて、しまいには朝ご飯の残りの「大辛口」を肴にする始末。
好きなものを好きなだけ食べさせたい。でも「血圧」が心配。あとは本人の自覚に期待するしかない・・・。
ドラゴンボールの、「悟飯」を思う「悟空」も、こんな気持ちだったのかしらね。そんな気がします。