おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

②人は振り向いてしまう

 「死海」という名の湖はあまりにも有名ですね。塩分濃度が高すぎて魚は住めず、それ故に「死海」と呼ばれるのだとか。人が湖にプカプカと浮かんで新聞を読む姿の写真など、子供の頃からしばしば目にして、

 「わ〜、行ってみたい!」

 「やりたい、これ〜!」

と、子供の心をくすぐり続ける存在です。

 で、その有名な「死海」、どの辺りにあるかはご存知ですか。

 数ヶ月前に私がみていたテレビ番組は、イスラエルの乾燥地帯を行くという紀行ものでした。そこで、ヨルダンとイスラエルの間にある「死海」も紹介されたのでした。(ほんの数ヶ月前までは、普通に、平穏にみることのできた土地だったのに…)

 「死海」についての説明でちょっと驚いたのは、「死海」の水源は、湖に流れ込む唯一の川、ヨルダン川だということです。日本人の感覚だと、「川は湖から流れ出る」だと思うんですよね。ところが、死海の水面は海抜マイナス433m程度という地球で最も低い場所であり、最も低い場所からは流れ出ることはないわけで。知ってしまえば当たり前のことでも、目からウロコ(魚のいない死海だけど)という事はあるものですね。

 話しは変わりますが、旧約聖書のソドムとゴモラのお話は聞いたことがあるかと思います。

 ソドムとゴモラの二つの町は、あまりにも風紀が乱れたことにより神の怒りに触れます。神は硫黄の火でこの二つの町を滅ぼすことを決めたのですが、その際に、正しい信仰心を持ち続けたロトの一家だけは逃してやることにしたのでした。

 そのソドムとゴモラの町の所在については色々な説があるのですが、番組では死海の沿岸の一箇所をそのうちの一つとして紹介していました。ソドム山という山もありました。

 ロトの一家を逃がす際に、神は条件を出しました。

 「逃げる途中、絶対に後ろを振り返ってはならない」

 ロトも二人の娘達も守りました。ところがロトの妻だけは神の言いつけに背き、振り返ってしまったのです。

Wikipediaより、「体が塩の柱に変わるロトの妻」

 振り返ってしまった妻に与えられた罰、それは塩の柱に変えられるという、とてつもなく辛い罰なのでした(辛いと書いてからいとも読みますね、塩だけに)

 そして、番組で紹介されたのがこちらの塩柱でした。ソドム山にあります。

 本当に人がそのまま固まったみたい!テレビの前で「わ!」と声が出ました。

 「振り向いてはならぬ」という神の言いつけは、「人は振り向いてしまうもの」ということを知っているからこその、神が与える試練なのでしょうか。そして、その試練に耐えられなかった時に与えられる罰もまた、厳しいものですね。

 ➀で紹介したナマ族の神様もそうでしたが、厳しい自然環境に生きる人びとが崇める神様というのは、その生活環境同様、厳しく人に対するのものだと思わせられます。

 一神教の神は、本当に厳しい・・・。つくづくとそんなことを思うこの頃なのです。続く。