東寺北大門を出てすぐ、観智院があります。
「観智院って、知らなかったけど、客殿が国宝なのか。どれどれ」
そんな軽い気持ちで拝観することに決めたのですが、そんな自分を申し訳なく思うほど、素晴らしいお寺なのでした。何が素晴らしいのか、枚挙に暇がないけれど、
ご本尊はじめ、仏像が素晴らしい!
お庭がどこもかしこも素晴らしい!
通りすがりに見るこんな小さなお庭もさり気なくも素晴らしい!
写真で上手くお伝え出来ないのがもどかしい!
ここに座って眺めた景色は、まるで自然のなかに身を置いているような、いつまでもいつまでも眺めていたい、そんな眺めなのです。私はお庭はあまり長い時間は見ていられないほうなのですが、ここは別。今までに見た最高のお庭です、私にとって。言葉ではお伝えできないけれども!分かって(笑)
そして、国宝の客殿。
右側が客殿です。
客殿「上段の間」にいらした案内の方の説明によりますと東寺では、一番偉いお坊様を「長者」と言うのだそうです。客殿とはその長者様のお住まいであり、今、私が居る「上段の間」は、本来であれば長者様しかお入りになれないお部屋なのだとか。この説明を聞いていたとき、拝観者は私一人。それが幸いしたのか、案内の方はとても丁寧な説明をして下さったのでした。
「今あなたが座っている畳、薄い敷物がしかれていますが、敷物の下は畳です。どうです?座り心地が違いませんか?なんなら立って、踏み心地を確かめてみて。今は機械で作る畳が普通ですが、上段の間の畳は手作りなんですよ。最高級の畳です。柔らかいでしょ?」
そうは言われたものの、ちょっと違いが分からず、首を傾げながら「次の間」の畳を踏んだ瞬間、思わず大きな声をあげてしまいました。はっきりと分かったのです。
「全然違います!比べれば、こちらは柔道部の畳ですね」
案内の方も、そうでしょうとばかりに頷かれました。
観智院、畳までも素晴らしい!
冗談抜きにそう思いましたよ、上段の間ではありましたが。続く。