山歩きの楽しみの一つに、山野草の可憐な或いは豪華な花との出会いがあります。特に北国では、深い雪に耐えて咲く早春の花には、感動さえ覚えたりするのです、いやホントの話。
先日、思いがけないご縁から山野草を栽培している方を紹介頂き、見学させて頂くという僥倖に恵まれました。
お庭での栽培なので、山道を登るという苦労をすることもなく、出会えればラッキーという運任せでも無く、楽して確実に、長年の憧れであった素晴らしいお花を見ることが出来たのです。それがこちら、「クマガイソウ」です。
回りにぴょんぴょん見える小さな丸いものは、「ギョウジャニンニク」の蕾だそうです。
30年以上も前ですが、巷に「山野草ブーム」が巻き起こり、どこで耳にしたのか、次の様な会話を妙に覚えているのです。
「クマガイソウがあればアツモリソウもあるはずだ」
「ところが、クマガイソウは見るけれど、アツモリソウはまず見ない」
その時から、「クマガイソウ」「アツモリソウ」を見てみたい、出来れば近くに揃って咲いているところを、と思っていました。今回は「クマガイソウ」だけでしたが、大満足です。栽培されているその方も、「アツモリソウは無くしてしまった」と残念そうでした。
この「クマガイソウ」「アツモリソウ」については、今回その名前のいわれから辿って、面白い知識をいろいろゲットできたので、②として書きたいと思います。
今日は下手な写真ですが、拝見させて頂いたその他の山野草とその名前の美しさをお楽しみ頂ければと思います。
左:サルメンエビネ(猿面海老根) 右:ウラシマソウ(浦島草)
エビネは、根元に球根のような(球根ではない)塊が連なる様子が海老の背の様に見えることから、エビネ(海老根)。そして、写真は花の赤い部分が猿の顔のようだと言うことからサルメンエビネなのだそう。
ウラシマソウは、写真が下手でなんとも歯がゆいのですが、手前に折り返った紫色の蓋のようなものの先端が、細い紐状に伸びているのがお分り頂けますでしょうか。その紐状のものは大変長いのですが、それを浦島太郎の釣り竿に見立てて「ウラシマソウ」。面白いですよねえ。
そのウラシマソウの手前にギザギザのあるつやつやした葉っぱが茂っていますが、「ヒトリシズカ」の葉っぱです。「ヒトリシズカ」は、4月に山で撮った花の咲いている写真があるので、ご覧下さい。
「ヒトリシズカ」は元々は「吉野静」と言い、静御前に因んだ名前なのですが、似たような植物で花穂を二本出す「フタリシズカ」と対比させて「ヒトリシズカ」と言うようになったのだとか。名前によらず、群生することが多いそう。
「クマガイソウ」「アツモリソウ」もそうですが、源平ものは人気が高いという証拠でしょうね。
最後は「オオトキソウ」です。
その美しい花の色・形が、空を舞う朱鷺のようだということから、「トキソウ」。こちらは栽培種で「オオトキソウ」だと思われます。一目でラン科の植物だと分かる豪華さです。Wikipediaによりますと、野生のトキソウは栽培目的で乱獲され激減しているとか、美しいというのも災難ですね。
ちなみに、エビネもラン科の植物です。そう言えば「オンシジュウム」に似ています。トキソウのような豪華なランもいいですが、エビネのような和風のシックな色合いも捨てがたいものがあります。
例えて言うなら、昭和の大スター「ピンクレディー」のミーちゃん・ケイちゃんそれぞれに異なる魅力があったように。
では、ここで唐突ではありますが、皆さん、替え歌をぜひご一緒に。曲はピンクレディー「カルメン77」です。ハイッ、
♪ わたしのエビネは サルメンでっす 続く(笑)