おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

昭和っぽい暮らし

 編み物を趣味としている私ですが、出来ることならあまりお金をかけずに楽しみたいと思っています。編み物で一番お金がかかるのはなんと言っても毛糸代ですが、逆に最もお金をかけずに済ませることが出来るのも又、毛糸代なのです。なぜなら、毛糸はほどいて再利用、つまり「編み直し」が出来るからです。昭和の頃、母親が古いセーターをほどいていたという記憶をお持ちの方も沢山いらっしゃるかと思います。私のブログの読者なら・・・。

 

 古いセーターをほどいて再利用と、書くのは簡単ですが、結構手間がかかります。一番の難所は、クネクネと癖の付いた毛糸をまっすぐに戻すという作業でしょうか。実母は「毛糸ふかし」と呼んでいた道具でやっていました。ヤカンのような形をしたもので、口の所には毛糸を通すための小さい穴があいています。中に水を入れ、ストーブの上に置きますと、やがて蒸気が出始めます。その蒸気に十分当たるようゆっくり毛糸を引き出しますと、「縮れ麺」のようだった古毛糸が、そこそこ真っ直ぐに伸びて現れるという仕組みです。その光景を目にしていた私は、古い毛糸はその様にして伸ばす物だと固く思い込んでいました。

 ところが、姑のやり方は違っていました。ほどいた毛糸は「輪」の状態に巻き(カセですね)、輪の形が崩れないように何カ所かを結んで置いて、ぬるま湯で洗うのです。水気を取って干すという、洗濯と同じ工程を経てすっかり乾いた古毛糸は、十分に伸びて再びの利用が可能な状態になっているのでした。固定観念が破られた私は、非常に驚かされ、かつ感心したのを覚えています。

 

 しばらく前に、「玉巻き器」と「かせくり器」を買ったという記事を書きました。届いてすぐに、「かせ」で買った毛糸と「玉」の状態に巻かれた古い毛糸を綺麗に巻き直しました。とても楽しい作業です。目に見えて作業がすすむのが性に合っているし、出来上がりが綺麗で、毛糸がすっきりと片付くのも嬉しい。

 そして、一通り手持ちの毛糸の整理がついたところで、かねてからの計画に着手です。

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 こちらのセーターは、色がとっても気に入って何年か前に買った物です。袖が短いことに気付かれましたでしょうか?縮んだのではありません。その頃流行った「七分袖」のデザインなのです。好きな色なのに、買ってからほとんど着ていません。なぜなら、腕が寒いから。夏炉冬扇という言葉がありますが、「七分袖セーター」はまさにそれ。気付かないものですね、青森県の冬に「七分袖セーター」なんてあり得ないと言うことに・・・。

 寒くて出番の無いセーター、でも勿体なくて処分できない、いつか着るかも。そう思い続けて来ましたが、ここに来て素晴らしい事を思いついたのです。着ないセーターはほどいて編み直しに使おうと。タンスも片付く、趣味もお金をかけずに楽しめると一石二鳥。

 ここで重要なのは、セーターの脇の部分がロックミシンでかがられていないことです。そのタイプの場合、毛糸は裁断されてしまっていて、ほどいても「糸」の状態にもどらないのです。ここが昭和には無かった点ですね。昔のものは手編みと同じように「とじ・はぎ」されていましたから。

 問題のセーターを裏返して確認したところ、機械で綴じられてはいたものの、裁断はされておらず、ほどけそうです。よし!と、張り切ってとりかかり、かなり苦戦はしたものの、無事に「糸」の状態に。お湯に通して縮れを直した後は、楽しい「巻き巻きタイム」です。

 

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 テレビをみながら手を動かし、あっという間にセーター1枚が5個の糸玉に生まれ変わりました。ただ、今は編みかけのものもありますし、他にも在庫を抱えている身なので、この糸に取り掛かるのはまだまだ先のことになりそうです。それでも、手許に好きな色の毛糸があるというのは、ワクワクします。何を編もうか想像が膨らむのです。では。

 (なんだか終わり方があっけないのですが、長くなったので、最後は「巻き」で。笑)