おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「黒部に怪我無し」なんだって

 昨日も、息子その2は録画しておいたお正月の特番をみて笑っていた。

 『世界の果てまでイッテQ!』という番組で、タレントのイモトアヤコさんが登山に挑戦していた。目標は黒部の秘境「下の廊下」。そこはかつて黒部ダムを建設するための調査路として、人一人がやっと通れるように切り開かれた、断崖絶壁にへばりつくような細い細い道。

 出発に当たり、なにかモチベーションが上がるような話を聞かせて欲しいというイモトさんに、ガイドさんは言った。

 「黒部に怪我無し」

 「へー」

 怪訝な顔をしながら、イモトさんは恐る恐るという感じで確認した。

 「それってひょっとして、落ちたら怪我どころじゃなくなる?」

 「そう、死ぬか生きるか」

 

 この場面をみていて、大昔、何かで知った「アイルランドに白髪無し」というフレーズを思い出した。「○○に○○無し」つながりと言うことで。

 19世紀、アイルランドはイギリスの支配下にあり、農民は非常に貧しい暮らしを余儀なくされていた。そこに「ジャガイモ飢饉」と呼ばれる大飢饉がおこり、考えられないほど多くの人命が失われることとなった。

 「アイルランドに白髪無し」とは、「アイルランドでは白髪になるまで生き延びることが出来ない」という意味だ。このフレーズがいつの時代に生まれたのか、ちゃんと調べてから記事を書こうと思ってネットにあたったが、頑張ってもヒットしなかった。検索ワードは、アイルランド、歴史、白髪、飢饉、貧困、短命、などなど。ネットを探っても見つからないとなると、本当にそのフレーズが存在するのかどうか自信が無くなってしまう。でも、まさか自分で勝手につくり出したとも思えないので、何かで読んだという記憶は正しかろうと思っている。読者の中に「聞いたことがある」という方がおいででしたら、コメントなど頂けると有り難い。

 

 拙ブログに何回か、「私は白髪頭だ」と書いたことがある。

 考えてみれば、白髪になっても元気に生活していられるということは、有り難くも幸せなことではないか。「黒部・下の廊下」を歩かなくとも、人生、一寸先は闇、行く手にどんな危険や苦難が待つか分からない。今日一日の無事を祈り感謝し、老化の道をゆっくり歩んでいきたい。これを書きながら改めてそう思った。では。