昨日の拙ブログでは正しい紐の結び方・ほどき方について書きました。
ひも、と言いましてもいろいろなものがありまして、中には女性は結ばない方がいい「ひも」もありますね。自分は働かずに女性に貢がせる男性、あの「ひも」の事です。
こちらの「ひも」の語源についてはいろいろな説があるようですが、その内の一つに、「海女さん」にまつわるものがあります。
海女さんは腰に紐を着けて海に潜ります。そして、息が続かなくなると紐を引いて舟の上の男性に知らせ、引き上げて貰います。こんな風に、女性が働いている間男性は待っているだけのように見えることから、先に書いたような意味の「ひも」という言葉が生まれたとされています。ただ、どうもあまり信憑性は高くない説のようでもあり、第一、舟の上の男性も忙しく自分の仕事をしているわけで、男性には気の毒な説でもあります。
リュック・ベッソン監督の映画『グラン・ブルー』のモデルとなった、ジャック・マイヨールという有名なフリーダイバーは覚えておられますか。フリーダイビングとは呼吸機材を用いないダイビングの事です。
何十年も前に何かの雑誌で読んだ記事なのですが、ジャック・マイヨールが来日した際に、どこかの海岸で海女さんの仕事を見学し、その時に交わした会話というのがありました。何十年も前の記憶であり、検索しても見つけることも叶わなかったので、あやふやな記憶なのですが、私のお気に入りと言うことで紹介したいと思います。
仕事を終えた海女さん達に、ジャック・マイヨールが言いました。
「僕は100mまで潜ったことがあるんだよ」
びっくりしている海女さん達の中で、一人が聞きました。
「それで、その時はサザエ(アワビだったかも)は、どのぐらい採れた?」
「全然採れなかったよ」
笑いながら答えるジャック。海女さん達も笑いました。
なぜか忘れられない逸話なのです。その時の海女さん達の心境を想像すると、ちょっとクスリときます。
きっと、自分たちは海女だけどこの人はホントのアマだね、そう思ったんじゃないでしょうか・・。では。