おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

福島に行って来た 1

 お久しぶりのブログです。特に何をしていたわけでもないのですが、なんとなくブログ書きから遠ざかっていました。平たく言うと、「ネタ切れ」ですかね。

 で、「ネタ」が出来たので、こうして書いています。どうと言うこともない旅日記なのですが、お付き合い下さい。

 

 ちょっと用事が出来まして、1泊2日で福島市に行って来ました。観光で行ったのではないのですが、新幹線までの隙間時間で、これは!と思うものに出会ったので紹介したいと思います。

 ホテルをチェックアウトしてから帰りの新幹線まで3時間ほどあります。どうしようかなと思っていたところ、地元の情報誌で本の読めるカフェがあることを知り、昼食と散歩を兼ねて行ってみることに。これが大正解。大当たり。

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 福島駅から徒歩20分。信夫山(しのぶやま)公園のすぐ近く。『信夫山文庫』というカフェです。

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 古い日本家屋で、六畳間が縦に4つ、建具が取り払われて一続きになっていて、日本の間取りのフレキシビリティが遺憾なく発揮されていました。そして、窓際に並べられたたくさんの本。冊数にも驚きましたが、年代、ジャンルともバラエティに富んでいて、こちらのご主人のお人柄もフレキシブルな方とお見受けしました。

 そして、この贅沢な空間にお客は私たった一人という勿体なさ。ランチが済んだら何を読もうか。選ぶのに迷っちゃうな、と思ったのは本を物色し始めた最初の1、2分。

 即決でこちらを手に取りました。

 懐かしい・・・。

ナンシー関大全

 青森県が生んだ二大版画家と言えば、ナンシー関棟方志功。(異論は認めます。青森県は版画王国と言われ、有名版画家を何人も輩出していますので)

 ナンシー関の本は文庫で何冊も読みましたが、2002年に彼女が亡くなってからは読んでいないので、随分久しぶりの再会です。今読んでも十分に面白い。さすがです。読みふけっているうちに、一日10食限定という「日替わりランチ」が運ばれてきました。読書は一時中断。

 

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 美味しそうでしょう?

 実際に凄く美味しかったんです。何もかもが丁寧な優しい味で。そして、その味は驚くほど「薄味」なのでした。

 前日、親戚と食事を共にしたのですが、汁物を頂きながら私は「美味しいけれど、ちょっと薄いな。もう少しお味噌を入れてもいいかな」と思っていました。隣に居た従姉妹が自分の妹に言いました。

 「このお汁、出汁はいいけど、ちょっとしょっぱいね」

 えっ!

 私は青森県に居ては、決して「しょっぱ口」(しょっぱい味を好む人のこと)ではないのです。どちらか言うと「薄味」の方だと自負していたほどです。そ、それなのに・・・。

 ああ、青森県が短命県日本一なのも無理はない。どんだけ塩分取ってんの、青森県人!かなりのショックでした。

 そう言えば、ナンシー関は高校卒業後に上京し、その後亡くなるまで東京で暮らしましたが、40年という短い生涯であったのは、青森県生まれの宿命であったのでしょうか・・・。

 

 ランチが済んだ後、再び本を手にしました。本の中に、ご両親が連名で書かれた、娘・直美についての文章がありました。ほんのちょっと抜き出して紹介したいと思います。

 

 もう、めんこくってめんこくって。ただ元気で育ってくれればいいという気持ちです。(中略)直美は亡くなったので、一番親不孝したわけですけども、まあ、運命だはんでね。

 めんこくて・・可愛くて  だはんでね・・だからね

 

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 私がランチを頂いてゆっくりと読書を楽しんだお部屋は、外からはこんな感じです。暖かな日差しが差し込んで本当に気持ちのいい時間を過ごさせて頂きました。

 いつも旅行する度に「日本は広いなあ」と思うのですが、この同じ日に、青森県ではすっかり冬を迎えているわけです。

 帰ったら雨かな?雪かな?短命な上に豪雪の青森県。でも、そこに生まれたのも運命。何かの縁なのかも。

 せめて、青森県に生まれたのはハンデだはんで(ハンデだから)。なんて自嘲ダジャレを楽しみたいと思います。だめ?自重すべき?続く。