おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

乗り遅れた「今週のお題」、『私の好きな漫画』

 先週のはてなブログのお題は『私の好きな漫画』でした。書こう書こうと思いつつ、機会を逃してしまいました。でも、どうしても書いておきたいことがあるので、書こうと思います。

 

 子どもの頃は漫画が大好きでした。大人になってもずっと読み続けるんだろうな、と思っていたのですが、社会人になった頃からでしょうか。だんだん読まなくなりました。今現在、家には息子その2が買い集めたコミックスが大量にあるのですが、なかなか手が伸びないのです。読み始めたら、どれもきっと止まらない面白さだろうなとは思うのですが。

 

 漫画は少女漫画はもちろん、弟が二人居たので少年漫画も随分読みました。先日、下の弟と久しぶりに会う機会がありました。弟とは言っても五十過ぎのいいオヤジなのですが、彼は未だに漫画が好きで、古本屋であれこれと買ってきては読んでいるようです。

 はてなブログのお題の事が頭にあった私は、弟に聞いてみました。今までに読んだ漫画で一番好きなのは何かと。私は質問しつつ、きっと弟は即答は出来ないだろうなと思っていました。あまりにもたくさんの作品を読んでいる弟なので、一つに決めるのは難しいだろうと思ったからです。でも、弟は即答しました。

 弟 「土佐の一本釣り、だな」

 私 「えー、そうなの?何回も読んだ?」

 弟 「6、7回、読んだと思う」

凄いなー。そりゃ確かに一番好きな作品だわ。

土佐の一本釣り: 純生!純平 (4) (ビッグコミックス)

 

 それから、60歳近い姉弟二人で、あれこれと昔読んだ漫画談義が続きました。私は『好きな漫画』というテーマで『キャプテン』という、ちばあきお作の野球漫画をあげようと思っていました。

 この漫画はですね、他の野球漫画とは違い、選手としては才能に恵まれない主人公がキャプテンを命じられ、悩み苦しみながら成長する、普通の少年の成長物語として心に残る漫画でした。しかも、そのキャプテンという「バトン」が、順繰りに手渡され引き継がれ、その時々で悩み苦しみも形を変えて引き継がれていくという、構造としても非常にユニークなものでした。連載時に読んだだけなので、たった一回しか読んでいないのですが、今でも登場人物達の丸っこい、お猿のような顔が懐かしく目に浮かぶのです。

 

キャプテン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 延々と二人で懐かしの漫画について語り合っているうちに、私の中に思いがけなく浮かび上がってきた一つの作品がありました。今回はそれを「私の好きな漫画」として紹介したいと思います。今回は、と書くのは、また別な作品を思い出して、そっちに気が変わらないとも限らないので、念のため。

おれは直角(1) (少年サンデーコミックス)

 とにかく曲がった事が嫌いで、すべてがまっすぐ、「直角」でなければならない主人公、「石垣直角」の行動に笑わされ、そしておおいに泣かされる傑作漫画です。細かい内容は省略しますが、大人になった今懐かしく思い出すのは、石垣家での宴会のシーンですね。貧しい下級武士である石垣家なのですが、そこには常に暖かく明るい空気があり、直角の友達は言うに及ばず、城代家老までも尋ねていきたくなる家庭の雰囲気なのです。

 今大人気の漫画『ワンピース』に、「宴だ~!」というシーンがあって、その楽しそうな雰囲気が読者に受けているようですが、『おれは直角』にはその元祖ともいうべき宴シーンが描かれているのです。笑ったり泣いたり、そして最後には本当に愉快な気分になる漫画、それがこの『おれは直角』です。

 

 こうして、三本の少年漫画を並べてみて改めて思うのは、共通点が「まっすぐ、ひたむき」という事でしょう。主人公達は自分の人生を、役割を、精一杯に突き進みます。

 今のすっかりおばさんになった私がこれらの作品を読み返したなら、彼らの姿がどれほど眩しいことでしょう。それともあまりの健気さに、溢れる涙を止められないといったことになるでしょうか。

 そして、『土佐の一本釣り』を読めば、オヤジ達の台詞にカツを(鰹)いれられたような気分になるかもしれません。では。