「あの~、カットソー、多分裏返しですよ」
「しつけ糸が付いたままですよ」
私の特技は、他人の服装のちょっとした「間違い」にいち早く気づくことです。働いていた頃、職場で何回か「親切に」教えてあげて、多分感謝されたと思います。
多分と書くのは、そういったシチュエーションの場合、相手が慌てふためくことが多く、「うそっ!」とか「へっ、ホント?」とか、驚きの言葉ばかりであることが多く、お礼を言われた記憶はあまりないからです。
この能力は生まれつき授かったものだと思うのですが、結婚生活によって磨きがかかったことは間違いないと思います。
夫はしょっちゅう、着衣の間違いを犯すヒトなんです。かぶり式の衣服は、下着からセーターまで「裏返し」や「後ろ前」であることはザラです。夫は大変な面倒くさがり屋で、かぶり式のものは2分の1の確率に賭けて、適当に首を突っ込むらしいのです。間違って直す手間の方が面倒くさいと思うのですが・・・。
ある時、パジャマを脱いだ夫がジャージのズボンを後ろ前に履いていたことがあり、さすがに私も驚愕しました。
「お父さん、ジャージ、後ろ前だよ」
「えっ、」(ポケットに後ろ向きに手を入れてみて)「お前、良く気がついたな~」
お礼は言われませんでしたが、私の能力を認め、素直に感心するところがウチの夫の美点です。
ちなみに、ウチの夫は平べったいお尻をしています。横から見ると、お尻は平らでお腹はかなりポッコリ。もしかしたら夫には、ジャージは後ろ前の方が体型にフィットして、違和感を感じないのかもしれません。
私の直近のお手柄は、GWに帰省した息子その1がシャワーの後、パン1でうろついているとき、
「パンツ(下着)、裏返しだよ」と指摘したことです。息子は自分の下半身を眺め、
「あっ、ホントだ」と言い、そのままスマホをいじっていました。その慌てない態度に、息子を頼もしく思ったものです。
さて、今日も見つけてしまいました。しかも、テレビドラマの中で。
写真はNHKの朝ドラ、『なつぞら』の今日のワンシーンです。白いTシャツが、どう見ても「後ろ前」ですね。最初は、随分首元が詰まっているな、その割に後ろ側は落ちているなと思ったんです。ところが、アップになると肩の縫い目が前に来すぎている事がわかり、これは!と確信した次第です。それとも、何か深い意味があっての着こなしなのでしょうか。気になりますね。
今、この記事を書いていて突然思い出した事があります。子ども時代の記憶です。お風呂上がりにパン1の父に向かって、「パンツ、裏返しだよ」と指摘したことがありました。父の答えは、
「この方が縫い目が響かなくて、肌触りがいいんだ」・・・。
「栴檀は双葉より芳し」と言いますが、私のこの才能はその類いですね。
惜しむらくは、なんの役にも立たない才能だということです。「他人の」という限定付きなので、裏返せば、自分の間違いには気がつかないということなのだし・・・。かなしい・・。では。