おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

運動足袋(うんどうたび)って知ってます?

 秋は運動会の季節らしいですね、全国的には。青森県では運動会は春ですね。秋は来た途端に、あっという間に寒くなってしまうからでしょうかね。

 

 私は昭和36年生まれなんですが、小学校の運動会では『運動足袋』というものを履いていました。ご存じない方のために形状を説明しますと、和装の足袋(たび)ありますよね、アレの履き口を浅くしてゴムを通します。そして、ゴム底をくっつけます。はい、完成。「はい、完成」と言っても自作するわけではなく、運動会が近づくと、いきなり衣料品店靴屋さんの店先に出現するのです。

 一年に一度。運動会でしか履きません。普段の体育の授業は通学に履いていた「ズック」だったと思います。なぜそんな物を履いていたのか、わかりません。きっと、当時の脱げやすい「ズック」より速く走れるという、信仰のようなものが有ったのだと思います。私自身は何を履いても鈍足だったので、違いはサッパリわかりません。

 この「運動足袋」がですね、すごく破れやすい代物だったんです。2回ぐらい全力で走ると、足袋本体とゴム底の境あたりから破れが広がり始めて、もうゴミ箱行きとなるんです。私の小学校は全校生徒100人ほどの小さい小学校で、生徒の人数が少ないために、運動会ではやたらと出番が多かった。鈍足の私でも、徒競走と障害物競走、必ず二つは走る。結果はいつも残念。そして「運動足袋」は破れる。でも、私の出番はあとはダンスや玉入れや綱引きなので、足元はいつものズックに戻るのです。

 さて。俊足の人達にとっては、運動会は午後が見せ場です。そう、選ばれし者達の戦場、リレーが待っているのです。リレーの選手達は、始めから「運動足袋」は2足準備しておきます。午前一足、午後一足。いよいよリレーとなれば、おろしたての真っ白な「運動足袋」が出番を迎えます。「さあ、次、リレーだ」そう言って新しい「運動足袋」に履き替える級友。応援専門の私。そう、小学校時代、私が「運動足袋」を2足使う日は、ついに訪れませんでした。

 世の中には、「運動会が楽しみだった」という方もいらっしゃるでしょう。残念ながら、私にとっては運動会はあまり楽しい物ではありませんでしたね。思い出すたび、ちょっと苦いものが混じる、かれこれ「半世紀近く前」の思い出です。なんたって、「運動足袋」ですよ、隔世の感がありますね。

 

 位置について、ヨーイ・・・

f:id:takakotakakosun:20181011214800j:plain スペイン・バレンシアにて