運動会の思い出、その2です。
今の小学生は紅白帽ですが、私の小学生時代、運動会では紅白の鉢巻きを締めました。お若い方のために解説しますと、片面は赤、もう片面は白の無地の鉢巻きです。その鉢巻きのことを大人達は「げんぺい」って呼んでいて、私達子供も真似をして「げんぺい」って言ったり、あるいは「鉢巻き」って言ったりしてました。親に「なんで、げんぺいって言うのか」と尋ねた記憶があるのですが、答の記憶がないので、多分親は答えられなかったのだと思います。 ↓ これが「げんぺい」です
だいぶ後になって、『平家は赤、源氏は白の旗を用いたことから、赤・白に分かれた物を源平と言い表す』というような一文を、聞くか読むかして、謎は氷解しました。子供の運動会で「源平合戦」にルーツの鉢巻き、なかなか勇ましく、粋でいいじゃないですか。
私は鈍足だったので、運動会には非常に消極的かつ冷ややかな態度で臨んでいたのですが、走るのが得意な人達は本当に一生懸命で、速く走るためのいろいろな「都市伝説」がありました。例えば、前日にお風呂にはいると足がだるくなるから、入らない方がいいとか。
もう一つ。「ヨモギ」の汁をふくらはぎに塗ると速くなる、というのもありました。
これについては、ちょっと哀しい後日談があります。「ヨモギ」の効き目について、親に真偽を訊いたところ、父親の答はこうでした。
「お父さん達が子供の頃、金持ちの家の子供が足のケガにヨードチンキを塗っていた。それを見て、真似してヨモギの汁を塗ったのが始まりだろう」
子供心に、もの悲しさを感じましたねえ。すごい「格差」。ただ、昔はごく少数のヨードチンキと大多数のヨモギだったわけで、そこが今の「格差社会」との違いなのかなと思います。
さらに、昭和と平成の一番の違いは、昭和は「右肩上がり」の時代だったということでしょう。先の見えない「競争」の社会を生きていくのは本当に大変です。
運動会の思い出から話が飛躍しましたが、人生は障害物競争のようなものです。いろいろな障害物を、なんとかうまくかわしていきたいものです。特に健康に留意して。なんと言っても、健康こそ幸福のみなもとなのですから。