昨日は『龍角散』について書いたので、今日は『浅田飴』について書こうと思った。とは言っても、内容は浅田飴のテレビCMについてである。どうということも無い内容なのである。
故・永六輔氏のナレーション、「咳、声、のろに、浅田飴」。懐かしいでしょう。このCMを取り上げて、「浅田飴、咳・声には効いても、滑舌には効かないみたいね」というチャチャを入れておしまい、ぐらいに考えていた。
で、一応、『浅田飴』についてググったところ、キャッチコピーに大発見があったという訳である。
浅田飴発売当初からのキャッチコピーは「良薬にして口に甘し。」。また、「せき・こえ・のどに浅田飴」のキャッチコピーでも広くその名を知られている。なお、明治から昭和初期にかけては「たん・せきに浅田飴 空腹にめし」のキャッチコピーが使われていた。
「たん・せきに浅田飴 空腹にめし」 凄い!まさに「骨太のキャッチコピー」とも言うべき、有無を言わせぬ力強さ。繰り返し読んで頂きたい。
「空腹にめし」。日本人に対して、これ以上に訴求力を持った言葉があるだろうか。
「美白にアルブチン 空腹にめし」、
「見えない汚れに酵素パワー 空腹にめし」。
そして、「癌にオプジーボ 空腹にめし」。
化粧品だろうがノーベル賞だろうが、堂々と渡り合えてしまうそのパワー。
ご存知、「根岸の里の侘び住まい」。頭に五文字の「季語」を付ければ、いとも簡単に誰でも俳句が作れるという魔法の12文字。
例 「秋風や根岸の里の侘び住まい」「赤とんぼ根岸の里の侘び住まい」
「空腹にめし」はこの「根岸・・・」に匹敵する 万能にして最強のフレーズである。
ただし、強すぎて食品相手では逆効果。「皆が集まったら〇〇 空腹にめし」、「チョコレートは〇〇 空腹にめし」。瞬殺である。「最初からめし食えよ」となる。
軽い気持ちで書こうと思った『浅田飴』。つくづくと、相手を舐めてかかってはならないのである。