平成元年に美空ひばりが亡くなってから、たくさんの追悼の言葉をマスコミを通じて見聞きしました。その中で一番印象に残った、女優・奈良岡朋子氏のお話を紹介しますね。(私の記憶だよりなので、だいぶ脚色ありですが)
「私が気ままに一人旅をするもんだから、彼女(美空ひばり)が、私も連れて行けって言うの。いいけど、私の旅は全部自分でするのよ。付き人なんかいないんだから、荷物も自分で持てる分だけよって返事してね、まあ無理でしょって思ってたの。彼女が亡くなって、彼女の寝室に小さな新品のスーツケースがあったって聞いたの。ああ、本気だったんだ、と思ってね」
『夢を叶える』というのは、誰にとっても簡単にはいかないことなのだなあ、そんなことを感じた逸話で、強く心に残ったのでした。
「お岩木やまのてっぺんを~」で始まる『りんご追分』は、当時の史上最高記録となる70万枚の大ヒット曲
昭和という時代を象徴するかのような大スター・美空ひばり。
昭和は終わった。そして同時に、『美空ひばりの人生』という一つのショーは終わったのでした。