おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

兵庫県豊岡市について

 私の住む青森県は、本州最北の地であります。よって、日本という国に関する知識・認識には大いなる偏りがあるかと思われます。

 簡単に言いますと、中部地方以南にはほとんど友人・知人・親戚の類いがいないという県民が多いと言うことです(私が思うに)。そして、滅多に旅行で行くこともないと思われます(遠いので)。

 そのことがどういう結果をもたらすか(これも私見ではありますが)、中部地方以南に具体的イメージが無い、つまりは、何も知らないということになろうかと思います。

 

 先月、突然夫から「7月の頭、GOTOが始まる前に城崎(きのさき)温泉に行こう!」という提案があり、その頃はコロナも落ち着いた感があったので、「よし、乗った」となりました。

 夫曰く、「GOTOが始まったら、城崎なんて予約無理だから」ということでした。夫は以前、城崎温泉を訪れた事があり、その人気ぶりや魅力について熱く語ってくれました。

 いやが上にも盛り上がる期待を胸に、3泊4日の城崎温泉の旅、行って参りました。

 

 青森空港から伊丹まで1時間50分。プロペラって写真に撮ると静止するのね。

 

 結果は期待以上に満足・充実の旅となったのですが、同時に思い知ったのは、

 「日本は広いなあ。私なんて本当に何も知らないんだなあ」ということでした。

 そして、私が無知である理由の一つには上に記したように、「青森生まれ・青森育ち」ということも関係あるのではないかと考えたのです。言い訳ではなく。

 

 旅の醍醐味に、未知との出会いと言うことがあると思いますが、今回の旅では、「何も知らない自分」と出会った、そのことが一番の収穫だったように思います。

 この後数日、拙ブログで城崎温泉の旅の記録を書いていこうと思うのですが、その前に、何の知識も無く彼の地を訪れた私が、帰宅してからネットで調べて驚嘆した、城崎温泉のある兵庫県豊岡市について簡単に記そうと思います。

 

 兵庫県と聞いて、私たち青森県民が思い浮かべるイメージは、「神戸」とか「姫路」とか、ではないでしょうか。それらの都市は瀬戸内海に面しています。それに対して、私が今回訪れた豊岡市は県の北部に位置し、日本海に面しているのです。いいですか、青森県民の皆さん、兵庫県は瀬戸内海と日本海と、両方に面しているんですよ。

  

 日本海に浮かぶ竜宮城です(説明は後日)。

 

 豊岡市はいわゆる平成の大合併で、旧豊岡市に城崎(きのさき)郡や出石(いずし)郡の町が合併して現在の区域となりました。

 「豊岡って何が有名か、知ってる?」と、夫に聞かれましたが、豊岡市自体知らなかったので、答えは「ノー」です。

 何でも、豊岡と言えば「鞄」なのだそうです。そのルーツは柳行李(やなぎごうり)にあるとか。奈良時代から作られていた「柳箱」は江戸時代には「豊岡の柳行李」として世に知れ渡ったそうです。

 その行李の材料となるのは湿地に生えるコリヤナギという柳なのですが、豊岡市円山川という川は、下流日本海に注ぎます)にラムサール条約に加盟する湿地を有する流れの非常に緩やかな川なのです。

 二手に分かれた狭い方の流れがうつっています。湿地の向こうには幅の広いゆったりとした円山川が流れています。

 

 さあ、問題はその湿地ですよ。湿地という場所はどこも独特な生態系を持つものですが、ここ豊岡で特筆すべきは、日本で唯一の野生のコウノトリの生息地だということです。

 実は、日本における野生のコウノトリは一度絶滅しています。その後、各地の動物園や豊岡市の飼育場で人口繁殖に成功、特に豊岡市では放鳥にも成功し、大空を優雅に飛行するコウノトリの姿が年々増えているのだそうです。見てみたいですよね。

 

 さて、日本の市町村では良く「市の○○」を制定しますね。「市の木」とか「市の鳥」とか。豊岡市では、市の木は「ヤナギ」、市の鳥は「コウノトリ」です。予想通りですね。

 豊岡市の凄いところは、「市の両生類」「市の石」「市の魚介」も制定されているところです。それぞれ、オオサンショウウオ玄武岩カニとなっています。いろんな意味で、ゴージャス!そう思われませんか。

 オオサンショウウオ、一度は見てみたいものです。

 玄武岩!これこれ。

 NHKの『ブラタモリ』でみました!豊岡市には玄武洞という採石場の跡があり、天然記念物として指定されているとか。そこで採れた石を玄武岩というのだと解説していました。行きたい、玄武洞は絶対に外せない。ここだけは出発前から夫にお願いしていました。夫も「分かってる」といい返事です。

 お願いついでに、城崎を歩きながら「今度はカニのシーズンに」と夫に言ってみました。「無理」の一言で却下されました。旅館の「カニプラン」は価格が跳ね上がるそうです。価格は横ばいとはいかないのね、カニなのに。

 

 どうでしょう皆さん、特に青森県民の皆さん、私が訪れた城崎温泉のある豊岡市の姿、少しは見えてきたでしょうか。以上のイメージを心に留めていただいて、これから数回にわたる旅の記録に是非お付き合い下さいね。

 「城崎温泉って、教科書で習ったあの『城の崎にて』の城崎でしょ?どんな話だったっけ?」なんて、しがないことを言わずにね。続く。