先日書きました、弘前市の北にある梵珠山(468m)に登った時のことです。
登っている最中、頭の中をグルグル回るメロディーがありまして、とうとう我慢出来なくなり、同行の三人に言いました。
「昔、シーハイルの歌って、ありましたよね。あれ、津軽の歌ですよね」
私は同じ青森県でも津軽から遠く離れた下北半島の出身です。それに対して、三人は生まれも育ちも津軽で、しかも私より年上の方々ですので、当然ご存じだろうと思いました。ところが意外なことに、ベテラン山女さんは、
「知ってる。ダークダックスね」
というお返事でしたが、あとのお二人は知らないということだったのです。
シーハイルとはドイツ語で「スキー万歳」という意味ですが、へえ、旧制五所川原農学校の「スキー部部歌」だったのね。初めて知ってちょっとびっくり。メロディーの良さに加えて、なかなか面白い歌詞ですので、お時間あるときにじっくり聞いて頂けたらと思います。
それにしても、私はいつ、誰からこの歌を教えられたのだろう?
私の家は歌にはあまり縁の無い家だったので、恐らく学校で習ったのだろうとは想像するのですが・・・。いつの間にか覚えていたという感じの歌なのです。妙に気になりました。ひょっとして、ベテラン山女さんの言う「ダークダックス」が何かヒントになるのではないか。そう考え、ネットで「ダークダックス」について調べてみたのです。
結果は、残念ながら「シーハイルの歌」についてはコレと言った収穫はありませんでした。でも、一つ。私の心の琴線に触れる面白いネタがゲット出来ましたので、それを皆さんにもお知らせしたいと思います。
カウンターのあるバーやスナックなどで、「ダークダックスでお願いします」とか、「ダークになる」という言い回しが使われることがあるのだそうです。あまりメジャーな表現ではないようなので、初耳という方は私ばかりではないかと思います。
意味は、「カウンターに対して体を斜めにすることによって、横並びよりも人数多く並べるようにする」ということだそう。ダークダックスの四人の、あの並び方をさした言い回しということでした。
面白いなあ、それに、昭和臭があるなあ。
「スミマセ~ン、ダークでお願いしますぅ」
タバコを灰皿に押しつけながら、ママが常連らしき男達に言った。
こんな感じ?
ダークでお願いするなんて、商売繁盛と言うことですよね。私が昭和臭を感じたのは、そこに「右肩上がり感」を感じたからかもしれません。今の日本の状況からは羨ましい限りです。
特に、今のこのコロナ禍にあっては、ダークになる=密ですから、これは避けなければならない状況なわけです。悲しいですね。気持ちがダークになってしまいます。
思い出の「シーハイルの歌」から、最後はちょっと暗いオチになってしまいました。一日も早くコロナが収束し、「バンザ~イ」と心の叫びを上げられる日が来て欲しいものと、切に願います。では。