標高1625Mの岩木山は、8合目までは「津軽岩木スカイライン」と呼ばれる有料道路が通じており、8合目には立派な休憩所もあります。また、8合目から9合目まではリフトも設置されていて、いきなり9合目から頂上までの登山を楽しむと言うことも可能なのです。
6合目辺りだったでしょうか。雨が止み、森の切れ目からかすかに雲海を見下ろすことが出来ました。先導役の方が言います。
「頂上が晴れていれば眼下に雲海が広がりますよ。晴れていればですが、ちょっと難しいかな」
雲海が見られるかどうかは、運かい!そんなダジャレががチラと頭をかすめたのですが、あまりにも疲労困憊でそれどころではありませんでした。とにかく8合目まで、8合目まで行ったら選択肢は三つだ。
1.8合目で皆がおりてくるまで待つ
2.9合目までリフト。その後頑張る
3.頂上まで自分の脚で頑張る
実は、下山については最初から8合目からチャーターバスで下りると言うことになっていました。なので、下山の体力を考えること無く、8合目についたらとにかく登れるかどうか、それを自分に問うのだ。そう考え考え、私と同じぐらいバテてきている数名のメンバーと、ゆっくりゆっくりを歩を運んでいきました。
体力・気力に余裕がある内は、先導役の「休憩です」の声を待って立ち止まるのですが、この頃になると、「洟をかみます」とか「水分とります」とか、自分から立ち止まるようになります。しかも、綺麗な岩でもあろうものなら雨で濡れているのにもかまわず、腰を下ろしてしまうのです。我慢できないのです。前回の白岩森林公園登山の時に、山の用語で休憩のことを「1本立てる」というのだと知りました。1本どころか、100本ぐらい立てたい、そんな気分です。
もうレインウエアなんか着ていられない、雨が降り出したらまた着ればいい。Tシャツ姿になって少しだけ元気を取り戻して出発。あれっ、なんか聞こえた。
「今、エンジンの音聞こえたね。スカイライン近いね」
バテバテ仲間と、あと少し、あと少しだねと励まし合いながら足取り重く進みます。あと少し、あと少し・・・。行く手の深い霧の中に何かが見えてきました。リフト乗り場の屋根です。ああ、ホントにあと少しだあ!
気分も上がります。リフトだけに。続く。
↓ ツルリンドウの白い花。花を見るのは初めてです。
昨年12月に銀山温泉で撮影したツルリンドウの実です。この時初めて「ツルリンドウ」の存在を知り、花も見てみたいなあと思っていました。今回その夢が実りました。
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