5月24日の記事で
フィリッポ・リッピの『聖母子と二天使』をご紹介しました。
聖母子は画家の妻と息子(フィリッピーノ)がモデルと言われています。
その息子は早くに両親と別れています。
(母は二歳のフィリッピーノを残して修道院に戻り、父とは12才で死別)
孤児となったフィリッピーノ・リッピは、父の弟子であったボッティチェリのもとに身を寄せ、絵の腕を磨いていきます。
ベルリン国立美術館『 音楽の寓意』
↓ ところが、この絵を見たときは・・・
こんな悲しい絵は見たことがない!と思いました。
マリアの全身から「悲しみ」が強く訴えてきて。
何がとか、どんなとか、ではなく、存在自体の悲しみとでもいいますか。
「生い立ち」というものから、人は一生逃れられないものなのかな・・・
そんなことまで考えてしまう一枚でした。
(それにしても、聖書の登場人物は同名が多くてややこしい。
聖母マリアの他にマリアが何人もいて、あんまりや!)