おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

クラナッハの絵は好きと思っていたのに、実際にみたら好きじゃなかった件

ルーカス・クラナッハ(父)は、妖艶な美女の絵で有名ですね。

 皆、こんな顔してます

f:id:takakotakakosun:20180808210409j:plain 『ヴィーナス』

 

この絵の実物を上野・「国立西洋美術館」でみたことがありますが、すごく小さい。

  絵の注文主は、この絵を寝室に飾って「楽しんだ」そうです。クラナッハが活躍した16世紀初頭は、こんな絵を堂々と飾れるような時代ではありませんでした。

 だがしかし。

  仮に公に飾ることが許されたとしてもですよ、やはりこの絵は寝室に飾られ、「秘密に楽しむ」のが、正しい鑑賞法でしょう(そう思うでしょ?)

 

 クラナッハの描く美女は皆、顔も独特ですが、プロポーションも皆へんてこりんなんですよ。でも、それが妙に官能的といいますか、魅力になっているんですね。以前から、大いに心惹かれるものがあって、「私はクラナッハが好き」なんだと思っていたんです。

ところが。

上野で実物を何点もみましたら、「好きじゃない」という結論になってしまいました。

 

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 『ユディト』 顔となで肩が、いかにもクラナッハですね

 

  この絵も他の絵も、「色」が好きじゃない。特に赤(赤と言うより、臙脂(エンジ)色)と赤橙色(ダイダイ色)。他の絵にもこの二色は頻繁に使われていて、クラナッハの「個性的な美」の基準に合っていたのでしょう。でも、私には不快な色ですね。「血の色」を思わせられるからなんでしょうか。理由は判然としないのですが、とにかく色が嫌いなので、クラナッハは好きじゃないという結論になったのです。

 

 クラナッハに寝室用の絵を注文した人は、きっと「色好み」な男性だったと思いますが、私はクラナッハの「色は好まない」というお話でした。