私事ですが、今日は誕生日で58歳になりました。何か自分に楽しいことをプレゼントしようと、映画「アラジン」実写版(字幕)を観てきました。
「アラジンと魔法のランプ」って、何十年も前から、子どもの頃から耳に馴染んだタイトルなのに、今まで本で読んだこともなかったし、ディズニーのアニメも観ていなかったことに改めて気づきました。でも、ストーリーはなんとなくお馴染み感があります。名曲「A Whole New World」は大好きで、劇中で歌われるのを楽しみに、席に着きました。
まず、出だしは凄く面白いんですよ。軽やかで気の利いた展開で、主人公のアラジンという青年もなかなか魅力的に描かれて、人物像に興味がもてます。ところが、物語がすすむほどにアラジンが魅力を失っていくんですよ。ジーニー役のウィル・スミスに食われてるってことなのかもしれません。ウィル・スミスは楽しそうでした。一人勝ち状態でした。
ジャスミン姫は容姿も歌声も魅力的です。ただ、今流行のポリティカル・コレクトネスに配慮した人物設定なんでしょうね。性格が「自立した女性」過ぎて・・・。
アラビアンナイトの世界に現代の規範をねじ込むのは、無理が有りすぎると思うんですよ。女性がスルタンになるなんて、あり得ないでしょう?
というような事を上映中考えていて、急に「そもそもアラビアンナイトのアラビアっていつの時代?」と気になりまして、帰宅してネットで調べたんです。
Wikipediaによりますと、サーサーン朝(ササン朝ペルシャ)時代に、ペルシャ・インド・ギリシャなど各地の民話が、公用語の中世ペルシャ語(パフラヴィー語)で記され、「ハザール・アフサーナ」(ペルシア語: هزار افسان,千の物語)として編纂された[3]。その後、651年にサーサーン朝はイスラム教徒に征服されてイスラーム帝国が勃興する。最初のウマイヤ朝を経て、アッバース朝初期の8世紀後半に、その新都バグダードがイスラーム帝国の中心都市として整備され始めた以降、アラビア語に翻訳されて9世紀にはその原型ができた
ということで、そもそもはイスラム以前のアラビアの物語だったわけです。
だからなのでしょうか、お姫様が露出度の高い衣装という、イスラム世界ではあり得ない描かれ方で、スクリーン全体にインドっぽさが漂っていて、特にラストの集団舞踏シーンはインド映画のようでした。(結構好きです)
流石ディズニーだけあって、CG等の映像技術は凄くて、子どもだけではなく、大人も十分楽しめる映画ではあるのですが、私的がっかりポイントが二つありまして、それはやっぱり書かずにはいられません。
一つは楽しみにしていた、「A Whole New World」を主役の二人が歌いながら、魔法の絨毯で空を飛ぶシーン。く、暗い。画面が暗すぎてワクワク感ゼロ。むしろ何か不吉なことでも起きそうな雰囲気。スピード感やスリルじゃなくて、あそこは思いっきり豪華に美しくそしてロマンチックに盛り上げて欲しかった・・・。肩すかしその1。
肩すかしその2は、敵であるジャファーとの対決シーン。そんなもんなの?そんなんで勝っちゃうの?ハラハラドキドキのアクションシーンが来るかと思ったのに・・・。
映画の冒頭部分に比べて、アクションも人物も、だんだん生気を失っていたように感じて残念でした。
そんな中、最初から最後まで変わらず可愛らしかったのは、お猿さんと絨毯ですね。動物をカワイイと思わせるのは映画制作者にとってはお手の物でしょうが、「絨毯」をカワイイと思わせるのは流石です。ペットだけではなく、カーペットにも強いディズニーなのでした。では。