おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

水は異常液体

 2月の異名、「如月」とは、あまりに寒いので、「着、更に着る」が語源だという説が有力だそうです。

 私の故郷は、本州最北端の下北半島にあり、津軽海峡に面しているのですから、どれ程寒い土地であるか、字面からでも十分おわかり頂けるかと思います。

 故郷の「寒さ」もまた思い出の一つなのですが、中でも強烈なのは、朝起きたとき、花瓶が割れていたことです。私の部屋は、寝ている間に氷点下になったんでしょうね。中の水が凍ってしまい、花瓶が割れていたのです。救いは、花瓶の周りが水浸しではなかったこと。凍っていたので。一応言っておきますが、屋根も壁もある、普通の家でした。ただ、50年前に建てられた家なので、断熱材などはお粗末だったのでしょう。

 

 物質は、温度によって、固体・液体・気体と変化します。それぞれの体積は、固体より液体、液体より気体と大きくなっていく、それが普通なのです。ところが、皆さん日常生活でご存知のように、水は液体の「水」よりも、固体の「氷」の方が体積が大きいですね。私の花瓶が割れたのも、そのせいです。

 このように、固体の方が液体よりも体積が大きくなる(密度が小さくなる)液体を「異常液体」と言いまして、水の他に、ケイ素・ゲルマニウムガリウムビスマスの4つの元素があるそうです。

 なぜこのようなことが起きるのか。ざっくり言いますと、普通は液体の方が分子が自由に動いて隙間が大きくなるはずが、これら5つの「異常液体」では、固体になった時の結晶構造の方が、隙間が多くなるからなのだそうです。

 

 この、水が「異常液体」であるということは、地球環境を考える上で、非常に重要な働きを持っているのです。

 例えば、凍った湖の底で魚たちが生きていられるのは、氷が水に浮くから。つまり、湖は上の方しか凍らないから可能なのです。また、岩石にしみた水は、凍って膨張することによって浸食作用を促します。

 

 それにしても、いくら氷が地球環境に重要な働きをするとはいえ、寝ている間に部屋の中が氷点下になるような生活は、こおりごりです。