おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

梅毒と世界の歴史

 梅毒の感染者が増えているのだそうです。

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 梅毒って、私達の若い頃でも「過去の病気」というイメージで、それ故によく冗談のネタにもなっていたりしました。おっきいニキビが出来た人に「梅毒じゃない?」とか。「あー、これは鼻もげるわ-」とか。あれっ、私の回りだけ?

 それぐらい現実感が無い病気のはずだったんですけど、なんで21世紀に増えるかな~。若い方々には、もうちょっと謹んで頂きたいものです。

 

 梅毒の恐ろしさの一つに、「先天性梅毒」、つまり母親の胎内、あるいは出産時に子供に感染するという点があげられます。

 

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 エドワード6世(1537~1553)

 

 この可愛らしくも、見るからに薄幸そうな少年の父はイングランド国王のヘンリー8世です。ヘンリー8世といえば、6人の妻と離婚・再婚を繰り返し、容赦なく処刑された元妻もいるという、いろいろな意味で凄い人物です。彼の二人の娘が、後のメアリー1世とエリザベス1世。エドワード6世は彼女たちの腹違いの弟です。

 

 ヘンリー8世はフランスで娼婦と関係を持った際、梅毒に感染したと言われています。その結果、エドワード6世は先天性梅毒であり、彼が虚弱であったのも、わずか15才でこの世を去ったのも、それが原因であろうとされています。

 

 ヘンリー8世の死後、王位は一人息子であるエドワード6世へ。彼亡き後、王位継承権第一位はメアリー、第二位はエリザベスでした。ところが、王位簒奪をもくろむ舅によって、女王として担ぎ出されたのが、「9日間の女王」レディ・ジェーン・グレイでした。

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ポール=ドラルーシュ 「レディジェーングレイの処刑」

 ジェーンを謀反人として処刑後、王位に就いたのはメアリーでした。しかし、彼女は子をなすことなく病死。その後、即位したのがエリザベス1世です。彼女の時代、イングランドはスペイン無敵艦隊を破り、大いなる繁栄の道を歩むことになります。

 

 エドワード6世が病弱でなく、彼の治世が長く続いていたなら、イギリスの歴史も大きく変わっていたことでしょう。もちろん、世界の歴史も。梅毒が世界の歴史を大きく変えたと言えるのではないでしょうか。

 

 ちなみに、ヘンリー8世はフランス人娼婦から梅毒に感染したと書きましたが、イギリス・ドイツでは梅毒は「フランス病」と呼ばれ、フランスでは「ナポリ病」、イタリアでは「スペイン病」と呼ばれていたそうです。

 

 さて、最後はいつも通りダジャレで締めたいのですが、今回は梅毒について調べていて出会った江戸の川柳があまりにも上手いので、ご紹介して終わりたいと思います。 

 鷹の名にお花お千代はきついこと

 ※夜鷹(江戸時代の娼婦)の名前が、「お鼻落ちよ」とは、冗談きついぜ、といったところでしょうか。川柳に詠まれるほど、江戸の夜鷹は梅毒による「鼻欠け」が多かったのだそうです。繰り返しますが、若い方々には、もうちょっと謹んで頂きたいものです。